楽天ドラ1藤平「怖かった」早朝の地震…入団会見一時は中止も検討

[ 2016年11月23日 05:30 ]

ドラフト1位指名の藤平が意気込みを語る
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 楽天、日本ハム、ソフトバンクの3球団が22日、新人選手の入団会見を行った。早朝に福島県沖で発生した地震により、仙台市内で震度4を観測。楽天の入団会見は中止も検討されたが、無事に開催された。ドラフト1位・藤平尚真投手(18=横浜高)は「高校ビッグ4」の頂点に立ち、被災地に夢を与える選手になることを誓った。

 晴れの日の早朝に起きた大きな揺れ。1位の藤平ら新人選手たちは、被災地の球団に入団することを強く実感した。

 「東日本大震災以来の強い地震で怖かった。こちら(東北)の方は、自分よりもっと怖い思いをしている。野球をしている姿を見て応援してもらい、夢を持ってもらえたら」。午前5時59分。福島県沖を震源とする地震が発生し、福島などで震度5弱、仙台市内は震度4を観測した。前夜のうちに仙台入りしていた藤平も激しい揺れに襲われ、目が覚めた。福島、宮城両県には津波警報が発令。仙台港では1メートル40の津波を観測した。

 午前11時から始まった入団会見。球団は中止も検討したが、収束に向かっていると判断した。予定通り開催したが、司会者は冒頭で「状況次第では中止する場合もあります」とアナウンスした。幸い、会見中に体に感じる揺れはなく無事に執り行われたものの、一様に表情は硬かった。

 11年3月11日に起きた東日本大震災。千葉県富津市出身の藤平は当時中学1年だった。あれから5年半。今もなお、日常が戻っていない被災者もいる。甚大な被害を受けた東北を本拠地とする球団に入団した使命。プロ野球選手としてできることは野球をしている姿で被災者を元気づけることだ。「一番のライバルである寺島(履正社=ヤクルト1位)や今井(作新学院=西武1位)など、高校生で注目されている選手には絶対負けたくない」。花咲徳栄・高橋昂(広島2位)も含めた「高校ビッグ4」の頂点に立つと宣言した。

 松坂世代やマー君世代のように世代を代表する投手となり、いつか「藤平世代」をつくる。そうすれば、被災地に感動を与えた13年の日本一の再現も不可能ではない。 (徳原 麗奈)

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