ソフトB松坂 1軍登板も 工藤監督「準備はしてもらわないと」

[ 2016年8月30日 05:30 ]

投手練習で中田(左)、武田(中央)と雑談する松坂

 松坂大輔投手(35)が9月下旬にも1軍のマウンドに戻ってくる可能性が出てきた。し烈な首位争いを繰り広げるソフトバンクは29日、西武戦移動前の投手練習で工藤公康監督(53)が「バックアップで投げる準備はしてもらわないと」と今季中の1軍復帰を示唆した。また2位の日本ハムは9月21、22日の最終直接対決で大谷翔平投手(22)の先発プランがあることを明かした。

 工藤監督は松坂の1軍登板の可能性を聞かれるとはっきりと答えた。

 「こういう時期だけれど、順調にいけばバックアップで投げる準備はしてもらわないと、と思っています」

 優勝に向け、日本ハムとのし烈なマッチレースは最後まで続くことが予想される。チームにとって残り26試合は、まさに正念場。先発投手陣の駒不足には陥っていないが、常に不測の事態に備えておく必要はある。しかも、これまで以上に1試合の重みは増す。投手陣にかかる精神的重圧を考えれば、数々の苦難を乗り越えてきた松坂にかかる期待は大きい。

 松坂は現在、急ピッチで上昇気配を見せている。8月25日のウエスタン・広島戦(タマスタ筑後)で5月14日の同戦(マツダ)以来の実戦登板で1回を投げた。登板後の状態もよく、中2日で四国ILリーグplus香川との3軍戦に登板し、3回1安打無失点の投球を披露した。

 「ゲーム勘とかいろいろあるけれど、順調に仕上がっていってくれれば、イニングを増やしていって2週間後になるのか3週間後になるのかは分からないけれど」

 指揮官が示した9月下旬は、まさに優勝争いの最終のヤマ場に他ならない。「仕上がったという状態にならなければ、なかなか投げさせることはできないけれど、倉野(投手総合巡回コーチ)が行けますよ、ということになればね」。

 松坂はこの日、ヤフオクドームに姿を見せ、28日の登板後のリカバリー練習を行った。「肩は問題ないです。状態がいいと周りから見えているのならいいんじゃないですか」。状態の良さを伺わせたのは「(今後)中6日で登板(が継続)しても大丈夫だと思います」ときっぱりと言い切ったことだ。1軍登板がようやく視界に入ってきたことに関しては「目の前のことをやるしかないです」とだけ話したが、次回登板の9月4日、2軍交流戦・巨人戦の結果次第ではそれも現実味を帯びてくる。平成の怪物と言われた男が未曽有の危機に立たされたチームの救世主になる可能性が出てきた。 (田中 貴久)

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