DeNAラミレス監督 来季続投正式決定 手腕を評価

[ 2016年8月30日 07:40 ]

DeNAのラミレス監督

 DeNAのアレックス・ラミレス監督(41)の来季続投が決まったことが29日、分かった。今季は就任1年目で2年契約を結んでいることも踏まえ、球団は3位の現状や統率力を高く評価。最終的な順位に関係なく、続投を決めた。残り22試合。ラミレス監督は球団初のクライマックスシリーズ(CS)進出を目指し、30日から首位・広島と敵地で3連戦を行う。

 現在3位で、球団初のCS進出にまい進しているラミレス監督の来季続投が早くも決まった。球団幹部は「4月の滑り出しでなかなか勝てない中、初采配にもかかわらず、チームの空気を変えてくれた。常に前向きな姿勢。それがあったからこそ、今の順位がある」と高い評価を与えた。

 就任1年目。開幕直後から5月下旬までは最下位に低迷していたが、球団幹部が指摘するようにラミレス監督は常にポジティブな発言を続け、明るく前向きなチームの雰囲気をつくった。さらに「長期的に首位を争うチームにしたい」という方針を打ち出し、4番の筒香を中心に若い戦力を積極的に起用。ドラフト1位ルーキー左腕・今永を開幕ローテーション入りさせ、正捕手にも同4位の戸柱を抜てきした。

 池田純球団社長、編成の責任者である高田繁GMとコミュニケーションも密に取り、5月下旬から着実に順位を上げてAクラスで後半戦に入った。昨季は最下位。さらに12球団で唯一、CS出場経験のないチームの底上げに成功したといえる。その手腕が評価され、池田社長の「安定した組織をつくる」という方針の下、2年目となる来季の指揮を任された。

 ファンの人気も高い。本拠地の横浜スタジアムでの大入り回数は25日の阪神戦で44回となり、昨年の43回を超えて球団最多記録を更新。昨季まで指揮を執った中畑氏(スポニチ本紙評論家)も絶大な人気を誇ったが、今季の観客動員数は過去最多となる見通しだ。球団の営業努力はもちろん、ラミレスDeNAがファンから支持されていることが数字にも表れている。

 前カードでは2位の巨人に今季初の同一カード3連戦3連勝を収め、4・5ゲーム差に詰め寄った。ラミレス監督は「今後は2位を狙っていくことを優先する」と話し、CSファーストステージを本拠地で戦える2位奪取を宣言。来季続投も決まり、勢いに乗ったラミレスDeNAが、30日から3連戦を行う首位・広島も撃破する。

 ◆アレックス・ラミレス 1974年10月3日、ベネズエラ生まれの41歳。91年にインディアンスに入団し、01年にヤクルト入り。08年に巨人に移籍し、同年から2年連続でMVPに輝いた。12年にDeNAに移籍し、13年に外国人選手初の通算2000安打を達成。14年はBC・群馬でコーチを兼任し、同年限りで現役引退。主なタイトルは首位打者1度、本塁打王2度、打点王4度。通算成績は1744試合で打率.301、380本塁打、1272打点。右投げ右打ち。

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2016年8月30日のニュース