広島38度目“逆転のコイ”M18 9回2死から菊池同点打&丸V打

[ 2016年8月26日 05:30 ]

<巨・広>9回2死一塁、逆転し殊勲の丸(右手前)の奥で喜ぶ広島ナイン

セ・リーグ 広島6―4巨人

(8月25日 東京D)
 両手を「V」の字に広げて、広島・菊池が一塁へ頭から突っ込んだ。3―4の9回2死三塁。2ストライクから沢村の高め151キロを三塁線へ打ち返し、村田の送球との競走に勝った。

 「打った球は何ですかねえ。グシャグシャだったのであまり覚えていません。形はどうでもよかった。執念です」

 思いはつながる。丸が右翼線三塁打で続いた。「3ボールだったのでストレートを(ポイントを)前で自分のスイングをしようと思った。キクがよくつないでくれたし、よく走ってくれた」。4点劣勢の6回から1点ずつ追い上げ、最後で追い抜いた。全て2死からの6得点。丸は「自分たちの野球ができたし、(2番手以降の)ピッチャーもよく抑えてくれた」と胸を張る。優勝マジック点灯から初めて臨んだ試合で今季38度目の逆転勝ち。25年ぶりの悲願へ、栄光への数字を2つ減らして「18」とした。

 沢村からの同点打。8月7日も菊池だった。本拠地で連敗し、3・5ゲーム差へ迫られる寸前だった第3戦。6―7の9回2死無走者から起死回生の同点弾が新井のサヨナラ打へつながった。

 「この前も打っているのでね…。丸がその後で打ってくれたのも大きかった。昨年はキクマルが躍動できなかったので、今年は(同い年の1~3番)タナキクマルで引っ張っていきたい。あっ、おまけで新井さんが打ったのも大きかったです」。39歳の大先輩をいじれるほどムードがいい。

 危機を脱した7日夜は新井を中心に若い選手たちも集まって食事した。「一つ山を越えたけれど、まだ二つ三つ必ず山がある」。阪神時代の08年に13差を逆転された経験者の言葉に全員で気を引き締めた“決起集会”は、翌日が試合がなく夜空が白むまで続いた。

 これで巨人を9差へ追いやった。緒方監督はうなずいた。「殊勲はキクや丸だけど、みんなが活躍して、うちの野球ができた」。もう“メークドラマ”は起こらない。
 (畑野 理之)

 ≪最多V打9度≫広島が巨人に連勝しマジックは2つ減って18になった。この日は0―4の劣勢をひっくり返す白星。逆転勝利は2試合連続の38度目となり、西武の33度を抑え両リーグトップと粘り強い。また、チームの逆転試合の勝利打点を調べると、丸が9度で新井の7度を上回り最多。最近5度の逆転勝利試合でV打をマークするなどチームを逆転に導いている。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月26日のニュース