中田に代打で5連勝!栗山監督 ソフトB追撃へ28日は大谷4番も

[ 2016年6月28日 05:30 ]

<日・西>6回無死二塁、三振に倒れた中田

パ・リーグ 日本ハム8―7西武

(6月27日 札幌D)
 勝利への執念が4点差からの逆転勝ちをもたらした。日本ハムは27日の西武戦で、12安打8得点で今季初の5連勝。3―7の7回、4番・中田翔内野手(27)に好機で代打を送り、西武のエース岸の攻略につなげた。腰の張りが出たことが交代の理由ながら、最近の中田は打撃の調子も低迷。臨機応変の選手起用で貴重な白星をつかんだ。

 球場はどよめきに包まれていた。4点差の7回だ。大嶋の中犠飛と敵失で2点差に詰め寄り、なおも2死二塁。3番・陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)が打席に入ると、ネクストバッターズサークルには4番・中田でなく、矢野が待機した。

 陽岱鋼が敬遠気味で歩かされ「代打・矢野」の場内アナウンスが響く。異様な空気の中、ベテランは「(代打と)聞いたときは“オオーッ”と思ったが、やることはいつも変わらない」と落ち着いて四球を選んだ。訪れた勝機。田中賢が同点の左前2点打、レアードも中前へはじき返し、決勝点をもぎ取った。難敵・岸相手の大逆転劇。それも、勝負どころで主砲をベンチに下げる大きな決断があったからだった。

 栗山監督は中田交代について「腰の張り。それだけ」と言った。就任5年目。「4番・中田」は栗山野球の象徴で、「うちは翔のチーム」と繰り返してきた。それでも、首位・ソフトバンクを追うため、ここで迷うわけにはいかなかった。

 中田は最近10試合で38打数4安打の打率・105。この日も6回無死二塁で見逃し三振して10打席連続無安打となった。通算150本塁打に王手をかけてから7戦連続の不発だ。今季も4月15日のロッテ戦(札幌ドーム)で13点リードで指揮官は代打・谷口を送ったことはあるが、今回は意味合いが大きく違う。

 中田は「チームが凄くいい勝ち方をした。(代打は)何とも思わない」と話した上で「明日もどうなるか分からんし…」と、28日の欠場も示唆。指揮官も「いろいろなパターンを考えている」と含みを持たせた。非常事態を乗り切る秘策として、二刀流4年目で「4番・大谷」が初めて実現する可能性も十分にある。 (横市 勇)

 ≪栗山体制不動の4番≫中田(日)の先発打順を見ると、初めてレギュラーに定着した11年は4番から8番で143試合に先発出場。当時は梨田監督だったが、栗山監督が就任した12年以降の先発出場604試合は全て4番となっている。

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