楽天・則本 開幕万全6回0封 長女誕生が力「自慢のオヤジで」

[ 2016年3月13日 05:30 ]

<楽・中>6回をわずか1安打に抑えた則本

オープン戦 楽天1-0中日

(3月12日 静岡)
 イメトレもバッチリだ!楽天の則本昂大投手(25)が12日、中日とのオープン戦(静岡)に先発して6回1安打無失点。三塁を踏ませない快投を見せた。最終イニングの6回には頭の中でピンチを想定して投じるなど、4年連続開幕投手を務める3月25日のソフトバンク戦(コボスタ宮城)に向けて順調に階段を上がっている。今月8日には第1子となる長女が誕生。心身ともに充実しているエースが開幕ダッシュにチームを導く。

 眼光が鋭くなった。6回、目の前の状況は2死走者なしも、則本は開幕戦でのピンチを想像していた。1ボール2ストライクからの6球目。中日・井領の外角低めにスライダーを投じ空振り三振を奪った。この日の75球目。やっと納得いく球を投げることができた。

 「全体的に良くなかったけど、最後だけはいい球だった。6回は三塁に走者がいて、いかに力を入れて投げることができるかを確かめました」

 予定の5回まで、わずか58球で1安打無失点。三塁すら踏ませぬ快投だった。球数が少なかったために続投した6回は三塁に走者を背負った状況を想定し、セットポジションで投じた。先頭の堂上は2球で簡単に二ゴロに抑え、続く遠藤は最速151キロもマークするなど平凡な中飛に打ち取り、最後は井領を圧倒した。

 既に入団から4年連続の開幕投手が決まっている。今季は12年以来、4年ぶりの本拠・コボスタ宮城でのシーズン開幕で、相手も日本一を2連覇しているソフトバンクと申し分ない。過去3年連続で2桁勝利をマークしており、エースとして責任感も強い右腕は「よくなかったのはなぜかをしっかりと反省したい。開幕をしっかり見据えてケガをしないようにしたい」と表情を引き締めた。

 最大のモチベーションは、今月8日に実家のある滋賀県内の病院で生まれた第1子となる長女の存在。出産に立ち会うことはできなかったが、滞在中の静岡から病院に駆けつけ、1時間だけ時間を共有することができた。毎日、夫人から愛娘の写メールが届き「今のところ僕にしか似てない。特に口元が」と言う。チームでは絶対的なエースも、パパとしては「新米」でもあり「育児のことは嶋さん、塩見さん、辛島にアドバイスをもらいたいと思います」と笑う。

 「やっぱり子供が大きくなっても、プロの第一線で野球をやっていたいです。子供にとって自慢のオヤジでいたいです」と則本。2016年シーズンが開幕する3月25日。チーム、ファン、そして愛する家族のため、則本が強力・ソフトバンク打線に立ち向かう。 (山田 忠範)

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2016年3月13日のニュース