侍で無安打 右足首痛…中田ドヤ!甲子園で復活1号「普通のボールやで」

[ 2016年3月13日 08:30 ]

<神・日>2回無死、先制ソロを放ち、生還する中田

オープン戦 日本ハム1-0阪神

(3月12日 甲子園)
 日本ハムの中田翔内野手(26)が12日、甲子園で行われた阪神とのオープン戦に「4番・一塁」で先発出場し、2回に阪神で2年連続開幕投手を務めるランディ・メッセンジャー投手(34)からオープン戦1号を放った。侍ジャパンの5、6日の台湾との強化試合では2試合で7打数無安打と精彩を欠き、10日の西武とのオープン戦は右足首痛のため欠場。状態が万全ではない中、思い出の地・甲子園で輝きを取り戻した。

 甲子園が似合う。一発が似合う。2回、先頭の中田は阪神の開幕投手・メッセンジャーと対峙(たいじ)した。研ぎ澄まされた集中力。フルカウントからの6球目は外角低めの114キロカーブだったが、泳がされながらも食らいついた。バットの先端で拾うようにして左翼ポール際まで運んだ。

 「真っすぐが速いからね。泳ぎながらも、拾うことができた。速い球を待った上でしっかり反応で打てた」

 阪神ファンを黙らせたアーチは、両チーム唯一の得点を生む価値あるオープン戦1号だった。栗山監督は「公式戦でも手も足も出ない状況が起こる。主役が打ち破ってくれないとね」と評価した。

 侍ジャパンの一員として臨んだ5、6日の台湾との強化試合は2試合フル出場も7打数無安打と不振。10日の西武とのオープン戦は、キャンプ中から違和感を抱えていた右足首痛を理由に欠場し、試合のない11日も休養した。日の丸を背負う重責で心も体も疲労が蓄積していた。「練習からしっかり走れているから大丈夫だと思う」。万全ではないがつかの間のリフレッシュで回復し、プロ初の30本塁打に達した昨季は出なかったオープン戦アーチで不安を吹き飛ばした。

 豪快さとともに、器用さを併せ持つ中田らしい一発。その打撃の源にあるのは関節の柔軟性だ。中田が「柔らかいというより“緩い”」と話したように、特に足首の柔軟性はほかの選手にはない特質を持っているという。白水(しろず)直樹コンディショニング担当は「疲れはたまりやすく痛みが出ることもあるけど、柔らかいから捻挫しにくい」と解説する。プロ9年目を迎えるが、11年レギュラー定着後の長期離脱は死球を受けて左手首を骨折した13年だけで、2年連続でレギュラーシーズン全試合に出場中。ケガをしづらい柔軟な動きができる一流の肉体の持ち主なのだ。

 中田は「アイシングだったり、電気(治療)くらいしかできないけど、開幕まで日にちがあるのでしっかり治したい」と前を見据えた。大阪桐蔭時代に4発を放った甲子園だが、プロでは14年6月18日の阪神戦以来、2本目。「難しいボールに見えたん?普通のボールやで」。思い出の地で一発を放ち、中田節も復活した。 (柳原 直之) (柳原 直之)

 ≪10年に次ぐスロー1号≫中田(日)がオープン戦今季初アーチ。自身のオープン戦年度別1号と本塁打数は(09、13、15年は本塁打なし)
  年・月・日 出 場 打席 [本]
 08・3・1 1試合  1 (1)
 10・3・16 11試合 40 (2)
 11・2・27  2試合  8 (2)
 12・2・25  1試合  2 (2)
 14・2・23  2試合  7 (3)
 16・3・12  5試合 11 (1)
 となっており、今季の月日、出場および打席数はいずれも10年に次ぐスロー1号になった。

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