捕手・阿部 2軍戦で280日ぶり実戦マスク!“貧打深刻”1軍合流へ

[ 2016年3月13日 07:30 ]

<イースタン巨・ヤ>ファンの「慎之助コール」に右手を上げる阿部

イースタン・リーグ 巨人3―1ヤクルト

(3月12日 ジャイアンツ)
 待ちわびたアナウンスが響く。「4番、キャッチャー、阿部」。ヤクルトとのイースタン・リーグ開幕戦。2軍調整中の巨人・阿部が280日ぶりに実戦マスクをかぶった。

 「キャッチャーで1年間やるのは大変。だけどチャレンジするので、思い出したり、学んでいきたい」。昨年6月6日ソフトバンク戦(東京ドーム)以来となる捕手での出場で、高卒3年目右腕の平良を引っ張った。際どいコースだけでなく、時には甘めにミットを構えて大胆さを要求。この日初安打を浴びた直後の5回無死一塁。次打者には2球連続外角低めのシュートを求め、三ゴロ併殺で切り抜けた。出場した5回までを1安打無失点。斎藤2軍監督を「百戦錬磨。打者を抑えるコツを知っている」とうならせる配球だった。

 バットでも主役だった。初回1死一、三塁。小川と開幕投手を争った石川のシュートを「スイングすることを意識してやっている」と中前にはじき返した。開幕カードで対戦するヤクルトの左腕エースから先制適時打。2軍に今季初得点をもたらした。一方、1軍はロッテとのオープン戦でわずか3安打零敗。44イニング適時打なしで20イニング無得点と貧打が深刻でオープン戦5連敗となった。「イライラしてくるわな。出ている者が執念出さんといかんね」と村田ヘッドコーチ。14日にも1軍に再合流する予定の攻守の要はカンフル剤として期待される。

 上半身のコンディション不良で、2月29日から2軍調整が続く。3月1日は2軍の休養日だったが、打撃マシン相手に約1時間捕球の練習を行った。報道陣には「ネタがないだろ。(休日返上と)書いてもいいぞ」と冗談を飛ばしたが、開幕スタメンへ並々ならぬ覚悟があった。この日、守備で打球処理の機会はなかったが、イニング間には二塁送球をして状態を確認。気温7度、吐く息も白い中、「試合に出られる肩にはなっている」と話すまでに回復した。

 オープン戦は残り6試合。「5回守り切れたので満足している。きょうより明日、明日よりあさってと体調を上げていきたい」と阿部。その目には1軍の舞台しか映っていなかった。(神田 佑)

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