ハム２年連続新人王へ！ドラ１上原「１年目から先発ローテ入りを」

[ 2015年12月24日 09:51 ]

　日本ハムにドラフト１位で入団した明大・上原健太投手（２１）が、プロ１年目の目標に「先発ローテーション入り」を掲げ、球団では２年連続となる「新人王」への意欲を語った。注目のドラフト１位投手への直撃インタビュー。来年２月の米アリゾナ州ピオリアで行われる春季キャンプの１軍メンバー入りも貪欲に狙うという。最速１５１キロで、東京六大学通算１４勝を挙げた１メートル９０の長身左腕が、激戦の先発陣争いに割って入る。（聞き手・構成＝柳原　直之）

　――運命のドラフト会議から約２カ月。来年１月に始まる新人合同自主トレを控え、今どのように過ごしているか？

　「そうですね、トレーニング面では下半身強化が足りない。基本的にウエート（トレーニング）が重要。そこを重点的にやっています」

　――具体的にはどのようなトレーニングをしているか？

　「スクワットだったり、サイドランジだったり…。やっぱり投げる上で（ランジやスクワットは）同じような動きが入ってくる。重心が上下し、左右に動く体重移動の時に、どれだけしっかりとした土台が必要か。そういう意識を持ってやっています」

　――メンタル面で変化はあった？

　「大学ではチームが勝てるように、自分がどういう結果であれ、どういう内容であれ、チームが勝てば良いという感覚だった。これからは自分が出す結果によって自分の生活がかかってくる。どういうパフォーマンスをしなくてはいけないかと考えると今までと動きが変わってくる。どういう練習をするにしても、そういう意識を持って、自分で考えながらやってはいます」　

　――ドラフト後、栗山監督からはどんな言葉を掛けられた？

　「“自分のやりたいことをやってほしい”“焦ることなく、周りに左右されることなく自分をもってやってほしい”と言われている。それで結果を出さなければ意味がないですけど、そう言ってもらっているんで自分でも考えてやっていますね」

　　――広陵（広島）の先輩でもある吉川、有原からはアドバイスを受けた？

　「有原さんは頻繁に連絡取りますね。吉川さんはまだ話したことがない。高校の先輩となると話しかけづらいんです（笑い）。電話であいさつするとかいろいろと考えたけど、直接会ってあいさつしたいなと思います」

　――来年２月には１軍が米アリゾナ州ピオリアでキャンプ。新人もメンバーに抜てきされる可能性がある。

　「そういうふうにチャンスを頂けるなら、行かせてもらいたいですね。新人合同自主トレの終盤にはブルペンに入るつもりでいます。それでも焦らないことが大事。そのことを、ずっと忘れずにやりたいと思います」

　――キャンプでは首脳陣にどうアピールしたいか？

　「どういうことをやるかというのはまだ分からないですけど、新人の中では先頭というか、引っ張っていって存在感をアピールしたい。技術とかそういうのは周り（の新人）とそんなに差はない。それぞれの良い所があって、誰が良いとか悪いとか善しあしは付けづらいと思う。まずは存在感を出していきたい」

　――プロ１年目の具体的目標は？

　「数字どうこうは自分からすると、１年を通して終わった結果。中身が大事だと思う。１年目から先発ローテーションに入って、その役割を果たすということができれば自分は一番良いと思う。それに“新人王”だったり、数字が結果として出てくるのであればそれは本当にうれしいなっていう感じですね」

　――今季、有原は８勝を挙げて新人王を獲得した。

　「そうですね、今までずっと有原さんは手の届かない存在だった。近くにいても野球としての存在感は相当上にいるので、もうそろそろ並びたいですね。いつまでも下にいるわけにはいかない。これからは脅かす存在になっていきたいなという思いは強いですね」

　――２年連続で新人王への期待も大きい。

　「もちろん、タイトルを獲りたい気持ちはある。でも将来、自分がどういうタイプの投手になっているからは分からない。“日本を代表する左投手は上原だ”と、野球をしている人だったら誰でも自分の名前を知っていてくれるような大きな投手になりたい。それが自分の具体的な目標ですね」

　≪有原先輩に続け！≫広陵―明大と野球エリート街道を歩んだ上原は、新人王と「縁」が深い。過去に明大出身の新人王には５６年・秋山登（大洋）、６８年・高田繁（巨人）、９８年・川上憲伸（中日）、１２年・野村祐輔（広島）がいる。また、広陵出身では広陵―明大を通じての先輩でもある野村、今年の新人王の有原（日本ハム）。ドラフト制後では高田、川上、野村、有原いずれもドラフト１位だ。そんな先輩たちに、上原が続けるか注目される。