西濃運輸 連覇へ逆転発進!昨年の橋戸賞男・佐伯が10K完投

[ 2015年7月19日 05:30 ]

<西濃運輸・JFE西日本>開幕戦で1失点完投勝利を挙げた西濃運輸・佐伯

第86回都市対抗野球第1日・1回戦 西濃運輸3―1JFE西日本

(7月18日 東京D)
 32チームが参加して東京ドームで開幕。開会式に続いて1回戦2試合が行われた。開幕戦では2連覇を狙う西濃運輸(大垣市)が、JFE西日本(福山市・倉敷市)に3―1で勝利。昨年大会で最優秀選手に贈られる橋戸賞を受賞した右横手投げの佐伯尚治投手(32)が10奪三振で完投した。第2試合は大阪ガス(大阪市)が東京ガス(東京都)との“ガス対決”を制した。大会は29日まで開催される。

 昨年の橋戸賞男が貫禄の投球を見せた。昨季王者の重圧がかかる開幕試合を10奪三振の完投で制した佐伯は「凄くプレッシャーがあったが、要所でうまく投げられた」と振り返った。

 初回、わずか8球で先制点を許したものの、ここからが真骨頂だった。直後に味方が同点に追いつくと「気持ちを切り替えて投げられた」と横手からテンポのよい投球でリズムをつくった。球速は130キロ前後ながら「タイミングを合わされないようにした」と時折、ドームのスピードガンも表示されないほど遅いスローカーブを交えて打者を幻惑。緩急で的を絞らせなかった。

 前年王者は予選を免除されるため、公式戦の実戦感覚の少なさが悩みの種だった。佐伯も「オープン戦はやってきたけど、少し違った」と振り返る。空いた時間で「打者をどうすれば抑えられるか」と自問自答。そこで出した答えが「打者の打つポイントと、捕手が捕るポイントの間の奥行きを使う」。つまり、打者の手元でどう変化させるかを追求した。リリースポイントの位置を微妙に変えることで変化球の曲がり幅を変えた。武器のスライダーはスピード、曲がり幅を変えて4種類にも及ぶ。右腕の投球術が凝縮された127球完投に、林教雄監督は「頼もしいエース」と目を細めた。

 昨年はトヨタ自動車からの補強選手、佐竹が3勝をマークした。推薦による単独出場の今大会は昨年2完投で橋戸賞を獲得した佐伯にかかる期待が大きい。エースは「左腕の(前年都市対抗優勝の)ワッペンが外れないように頑張りたい」と連覇へ力を込めた。 (東尾 洋樹)

 ◆佐伯 尚治(さえき・しょうじ)1983年(昭58)6月12日、福岡県出身の32歳。九産大九州3年の01年に甲子園出場も2回戦敗退。九産大ではエースとして4年時に明治神宮大会初優勝に貢献。西濃運輸では昨年都市対抗で3試合に登板して2勝、防御率0・79の活躍で橋戸賞を獲得。1メートル81、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪過去6チーム達成≫過去大会連覇は1930・31年の東京倶楽部、38・39年の藤倉電線、46・47年の大日本土木、50~52年の全鐘紡、61・62年の日本石油、2012・13年のJX―ENEOSと6度ある。また、戦局の悪化に伴い開催中止となった第15回(1941年)を挟んで、40・42年に全京城が優勝している。

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