マエケン流男気!オール直球 走者出ても38球「押し通した」

[ 2015年7月19日 05:30 ]

<全セ・全パ>4回2死一塁、松井稼の打球にグラブを出す前田健。2回を無失点に封じ勝利投手となった

マツダオールスターゲーム2015第2戦 セ・リーグ8-3パ・リーグ

(7月18日 マツダ)
 これでもか、と腕を振った。力で押す。押しまくる。黒田の後を受けた2番手での登板。夢のリレーでバトンを受けた広島・前田健は同時に「男気」も受け取った。背番号18が選択したのはオール直球での真っ向勝負だった。

 「途中から、きょうは全部真っすぐでいこう、と。球宴で、打者も(直球で)来てほしい気持ちがあると思ったので」

 38球。最速は150キロだった。2イニングを無失点。前田健は球宴ならではの熱投に充実の表情を浮かべた。まずは3回。1番・秋山を144キロで左飛に仕留めた。クルーズ、柳田も直球のみで料理すると、4回1死ではパ・リーグで本塁打トップの中村を外角の149キロで見逃しの3球三振だ。

 「真っすぐを投げるのは力がいる。いつもより疲れた。走者が出たら変化球も投げようと思ったけど、真っすぐで押し通した」。直球のみの勝負に気付いた地元・マツダスタジアムのスタンドも徐々にざわめきだす。そんな中、4回2死から糸井、松井稼に立て続けに投手強襲の安打を浴びた。いずれも必死に差し出したグラブに打球を当てながら捕球することはできない。それでも最後は中島を145キロで二ゴロ。直球のみで全パの強力打線を封じ、歴代3位タイの球宴4勝目をつかんだ。

 「今後、黒田さんの後を投げることはないと思う。貴重な経験でした」。40歳のベテラン右腕の後を受け、無失点リレーを披露した27歳のエース。「今年マツダでオールスターをやると聞いて“出たいな”と思っていた。雰囲気が凄いですね」。マエケンの38球――。地元での球宴で、乾坤一擲(けんこんいってき)の力勝負。そして真っ赤に染まったスタンドを酔わせた。

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