西武・森 史上初!代打で10代弾ぶち込んだ「ちょい詰まりや」

[ 2015年7月19日 08:22 ]

<全セ・全パ>6回1死一塁、代打・森は大野から右越え2ランを放つ

マツダオールスターゲーム2015第2戦 パ・リーグ3-8セ・リーグ

(7月18日 マツダ)
 伝説のお祭り男に肩を並べた。「マツダオールスターゲーム2015」は18日、マツダスタジアムで第2戦が行われ、全パの西武・森友哉捕手(19)が6回に代打で右越え2ランを放った。球宴での10代での本塁打は、86、87年に同じ西武の清原和博が記録して以来2人目で、代打では史上初めてとなった。試合は全セが8―3で2連勝を飾り、通算成績は全セの77勝80敗10分け。セ、パ両リーグは、20日に後半戦が始まる。

 私服に着替え、球場を出る時だった。森は待ち受けていた大阪桐蔭で1年先輩だった藤浪から「ナイスホームラン!」と声を掛けられると、タメ口で答えた。

 「ちょい詰まりや。思ったほど飛んでいけへんかったわ」。そう言っていたずらっぽく笑った。

 6回1死一塁から代打で出場。大野の投じた初球、148キロ直球を捉えた。初出場した19歳は代名詞のフルスイングで、右翼席に叩き込んだ。マツダスタジアムを埋め尽くした3万641人が沸き返る。しかし、この男の理想は高かった。

 「会心でしたけど、あまり距離が出なかった。もう少し飛んでほしかった」。予告弾だった。第1戦。藤浪との対戦で東京ドームの天井に打球をぶつけたが、一飛に倒れた。この日の試合前、対決を振り返りながら「きょうは屋根がないんで狙いたい。一番打ちたい人だったので悔しいんで」と言い、「初球から120%のフルスイングでホームランを狙う」と宣言。言葉通り、初球を「マン振り」でかち上げた。

 球宴で10代の選手が本塁打を記録したのは、86年、87年の清原和博以来2人目。28歳の年齢差があるため、西武の先輩スラッガーの全盛期を全く知らない。少年時代からの憧れは同じ捕手で左のスラッガーの巨人・阿部だった。ただ、その記録のことは知っており、10代で本塁打する最後のチャンス。「本当に凄いホームランバッター。並ぶチャンスがあるので打ちたい」と意気込み、第2戦で見事に打った。

 ファン投票で史上最年少の両リーグ最多得票を獲得し、2年目で初出場。第1戦は「3番・DH」で出場し、「気まずいですね」と高卒2年目は恐縮しきりだった。「三振か本塁打」と予告したが、2打数無安打で悔しさだけが残った。この日は代打での出場。一塁コーチャーを務めるなどして、出番を待った。代打では通算15打数6安打で打率・400、3本塁打。「大舞台は大好き。ワクワクする」と話す若きスラッガーが、夢舞台で勝負強さを発揮した。

 試合後、敢闘選手賞をコールされ、表彰台に走った。賞金100万円の使い道は決めていない。「まだ頭がゴチャゴチャしているので、ホテルに帰ってゆっくり整理したいですね」。そう言って心を静める姿だけは、紛れもない19歳だった。 (神田 佑)

 ▼中日・大野 完全に力負け。失投ではああいう形になる。でも一振りで決める森君がさすがだなと思いました。

 ▼西武・中村 後輩が打つとうれしい。初球から打てるのは、凄いと思う。

 ▼西武・浅村 まさか打つとは思わなかった。ホンマ凄いです。

 ▼日本ハム・中田 持っているね。こういう舞台で力まず打てるのは凄い。

 ▼阪神・藤浪 凄いとしか言いようがないですね。

 ≪10代初の代打本塁打≫19歳11カ月の森(西)が6回代打で球宴初本塁打。球宴の10代アーチは清原(西)が86年第2戦18歳11カ月、87年第3戦19歳11カ月と2度マークして以来28年ぶり2人目(3度目)。左打者では60年第3戦張本(東映)の20歳1カ月を抜く最年少記録となった。また、球宴の代打本塁打は10年第1戦の山崎(楽)以来37度目。過去の最年少は80年第1戦岡田(神)の22歳7カ月。森は10代初の代打本塁打でこの記録を更新した。

 ◇清原の球宴成績 18度出場しMVP7度は歴代最多。43試合に出場し13本塁打、打率・365、34打点をマーク。13本塁打は王と並ぶ歴代2位。打率・365は100打席以上の打者では落合と並び最高打率で通算34打点も歴代トップ。他に通算得点26は福本と並び歴代最多で通算96塁打、通算最多長打23本、通算40三振もいずれも歴代トップ。

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