併殺打ち取ったと思ったら…広島 ツキなし珍サヨナラ負け

[ 2015年6月12日 05:30 ]

<西・広>9回2死満塁 メヒアにサヨナラ安打を打たれベンチに引き揚げる中田(右)

交流戦 広島4-5西武

(6月11日 西武D)
 広島は11日、西武戦(西武プリンスドーム)で今季4度目のサヨナラ負けを喫した。同点の9回1死一、二塁で、併殺が確実な浅村の遊ゴロが二塁走者に当たる不運。故意ではないと審判団に判断され、最後は中田がメヒアにサヨナラ打を浴びた。緒方監督は「ツキがないね」と嘆きながらも、12日からのソフトバンク3連戦(ヤフオクドーム)を総力戦で臨み、交流戦での勝ち越しを誓った。

 その瞬間に緒方監督はベンチを飛び出し、佐々木球審に詰め寄った。同点の9回1死一、二塁。5番手・中田が救援降板し、浅村を1ボールから137キロ外角直球で遊ゴロに斬った。併殺で延長戦突入と誰もが思ったのもつかの間、打球はあろうことか、代走の二走・田代の右足に当たった。

 「併殺で終われたところ。故意に当たっていないか、説明を聞きに行ったが、ボールデッドと言われた。ツキがない…」

 指揮官は悔しげに振り返る。守備妨害を取られた田代をハイタッチで出迎える西武ベンチ。それが意味するものは明らかだった。併殺で3アウトが一転、2死一、二塁に走者が残り、チャンスは継続。マウンド上の中田にも当然、心の動揺は少なからずあった。

 顕著に表れたのが4番・中村への投球だ。内懐を攻め切れず、6球目の137キロ直球が外角低めに外れて四球。満塁となり、メヒアにはカウント2―2からの6球目、甘い140キロ直球を左中間にはじき返された。沸きに沸く西武ナインを横目に、右腕はうなだれて言葉を絞り出した。

 「普通は併殺と思いますからね。もう少し厳しくいけば…。最後は真ん中に甘く入った…」

 勝機はあった。過去8戦で0勝7敗と、広島を大の苦手とする岸との対戦。カモの右腕に対し、初回は新井の右犠飛と鈴木誠の中前打で2点、3回にもエルドレッドの2ランで得点を重ねた。悔やまれるのは同点の5回1死一、三塁だ。投ゴロ併殺に倒れた新井は敗戦の責任を背負った。

 「あそこで1本出ていればね。悔しいです…」

 今季の交流戦は7勝8敗となり、12日からは敵地で最後のソフトバンク3連戦。通算12勝29敗3分と圧倒的に分が悪い相手だが、過去に逆転Vの前例がない借金9を目前にして、弱気なことは言っていられない。

 「最後の3連戦だからね。何とか(交流戦を9勝9敗の)タイか、(3連勝で)勝ち越せるように総力戦で戦いたい」

 ビジターで強敵を撃破できるか。緒方監督は自身とナインを鼓舞する言葉で会見を締めた。

 ▼佐々木球審(責任審判を務める)走者に打球が当たった時点でボールデッド。目の前で止まるとか、悪質なケースは2つアウトになることもある。そこは審判判断。故意ではないと判断した。

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