ソフトB工藤監督「大当たり~!」先発抜てき伏兵V弾で初首位

[ 2015年5月18日 05:30 ]

<ソ・西>西武に勝利しベンチでナインに向かって拍手する工藤監督

パ・リーグ ソフトバンク4-1西武

(5月17日 ヤフオクD)
 ソフトバンクは17日、西武との首位攻防戦を4―1で制し、開幕から39試合目で今季初の首位に立った。0―0で迎えた5回、今季3度目の先発出場となった川島慶三内野手(31)が先制の1号ソロ。2年ぶりの一発がそのまま決勝打となり、工藤公康監督(52)の起用がズバリ的中した。勝率差での首位奪取。0ゲーム差に3チームがひしめく大混戦のパ・リーグを、昨季の日本一チームは抜け出せるか。

 待ちに待った首位浮上。勝利の後、工藤監督はベンチ裏に引き揚げてくるなり、頬が緩みっ放しだった。そして開口一番「大当たり~!」と甲高い声で叫んだ。川島のスタメン起用が見事に的中したためだった。

 0―0の5回1死。川島の放った打球が左翼のホームランテラスへ吸い込まれた。ヤクルト時代の13年以来2年ぶりで移籍後初アーチ。「何とかしたかったけど、ホームランは出来過ぎ」と驚き、工藤監督も大きな目をさらに見開いて喜んだ。今季先発3試合目の伏兵の決勝ソロだった。

 西武の先発は4月5日に8回無失点に抑え込まれた右腕・郭俊麟(カク・シュンリン)。右投手には左打者がセオリーだが、郭俊麟は試合前まで右打者に対し、被打率・419というデータがあった。川島は前日も西武の先発が左腕・菊池で先発出場したが、2打数無安打。打率・100の選手だったが、工藤監督は「川島君はきのうのスイングを見ていても強いものがあった」と自らの観察力を信じた。そして川島も期待に応えた。

 「チャンスはピンチ。いつ、ファームへ行けと言われるか、分からないので必死でやっています。(ホームラン)テラスに感謝ですね」。この日は選手会長・松田の32歳の誕生日。同学年の川島も燃える理由があった。この日は母・多恵子さんの60歳の誕生日だったのだ。試合前に「きょうはおまえがヒーローじゃない。俺だ!」と松田に宣戦布告。有言実行の活躍だ。ホームランボールと「母が大好き」という、ヒーローになって贈られたアサヒビール1年分もゲットし、母に最高の誕生日祝いをしてみせた。

 開幕から39試合目での首位奪取。今季就任した工藤監督にとって自身初となった。ただ、まだ100試合以上残っており、52歳の新指揮官は一喜一憂しない。「あんまり実感はないね。一つ一つの積み重ね。これからも(勝つ)いい形をチームでつくっていけたら」。2年連続日本一という使命に向け、工藤ソフトバンクが「定位置」に立った。

 ≪5年ぶり≫パ・リーグは首位のソフトバンクから3位の日本ハムまで0ゲーム差に接近。パで5月以降に1~3位が0ゲーム差は10年8月26日に
勝  敗 分  差
(1)ソフト63 52(5) ― 
(1)ロッテ63 52(2)0・0
(3)西 武65 54 0・0
とひしめいて以来5年ぶり。

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