離脱のマー君 ヤ軍が手術勧める可能性も 昨季から7年契約

[ 2015年4月30日 05:45 ]

<ヤンキース・レイズ>試合も中盤に差しかかる頃、記者の前で現状について説明する田中

 ヤンキースの田中将大投手(26)が28日(日本時間29日)、右手首の腱炎と右前腕部の張りのため、15日間の故障者リスト(DL)に入ることが決まった。先発予定だった29日(同30日)のレイズ戦の登板は回避する。今後7~10日間はノースロー調整とし、戦列復帰まで最低でも1カ月程度かかる見通しで、複数の米メディアが昨季痛めた右肘に関連した痛みと指摘。今季2勝を挙げて収まっていた右肘手術の論争が再燃した。

 1万8000体が観客に配られた田中のバブルヘッドデー。だが、試合前のお披露目式に主役の姿はなかった。そして試合中にもかかわらず、日米の報道陣を集めて行われたブライアン・キャッシュマンGMの会見で衝撃の事実が明かされた。

 故障箇所は右手首と右前腕部で、症状は最も軽い「グレード1」。昨季痛めた右肘は磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受けて異常はなかったが、今後7~10日間はノースロー調整とし、15日間のDLに入ることが決まった。同GMは「控えめに見ても彼がローテーションに戻るまで1カ月はかかるだろう」と長期離脱の可能性を示唆。26日のブルペン投球をラリー・ロスチャイルド投手コーチから「素晴らしかった」と報告を受けていたジョー・ジラルディ監督も「ショックだ」と落胆を隠せなかった。

 田中はこの日、試合開始約5時間前の午後2時頃に球場入り。「ブルペンで投げた次の日の朝、起きたときにちょっとした違和感を感じていたんですけど、まあ大丈夫かなという感じだった。きょうの朝、起きてちょっと(痛みが)増していた」とトレーナーに相談し、診察の結果、29日のレイズ戦の先発回避が決まった。手首の故障は初めてで「何で痛くなったのかは分からない。調子が上がってきていたところなので非常に残念」と悔しがった。

 右肘故障後初めて中4日で臨んだ23日のタイガース戦で気温0・5度の中、6回1/3を1失点と好投したが、キャッシュマンGMが「前腕は右肘を守る箇所」と話したように悪条件が負担となった可能性もある。また同GMは右肘の故障の前兆ではないかという指摘を「そうかもしれない」と否定しなかった。田中は昨季から7年契約を結んでおり、同様の故障が続くリスクを避けるため、ヤ軍がじん帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を今後勧める可能性も出てきた。

 今季は4試合に先発し、2勝1敗、防御率3・22と不安を拭い去る投球を見せてきた。米メディアの右肘の故障と結びつける質問はきっぱり否定し、「大きな異常は見られなかったですし、しっかりと一日でも早く治してまた戻ってこられるように努力していきたい」と早期復帰を誓った田中。開幕から1カ月足らずで再び試練の時を迎えた。

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