巨人・西村 逆発想!宝刀封印で5回0封 先発候補9人崖っ縁で結果

[ 2015年3月9日 05:30 ]

<神・巨>5回無失点の好投を見せ、村田(左)とタッチをかわす西村

オープン戦 巨人1-0阪神

(3月8日 甲子園)
 注文通りの展開で窮地を脱すると、大きく息を吐いた。0―0の4回1死一、二塁。巨人・西村は内角球で4番マートンを遊ゴロ併殺に仕留めた。選択した勝負球は、宝刀のシュートではなく直球だった。

 「この前(の登板で)、コースを狙い過ぎたので大胆にストライクを先行させた」。5回67球を投げて3安打、無四球(1死球)で無失点。先発枠争いの崖っ縁で結果を出した。

 1日のヤクルト戦(東京ドーム)では4四球を与えるなど制球を乱し、4回を2失点。今回は「ど真ん中でもいいからストライクを先行させないと」と「無四球」をテーマに定めた。手段の一つとしてシュートを封印。直球、スライダー、フォークの3つに球種を限定した。03年、広陵(広島)のエースとしてセンバツの優勝投手となった右腕は、高校後輩の小林とのバッテリーで思い切り腕を振ることだけに集中。小林も「考えながら、意識しながら投げているのを感じた」と称えた。

 13年セーブ王が先発に専念するのは5年ぶり。登板間の調整をなりふり構わず模索している。過去2回の登板では前日にブルペン入りしたが、今回は2日前と3日前の2度、投球練習。「同じような調整で結果が出ていないので」と臨み、先発枠入りの課題に制球とスタミナを挙げていた原監督も「主導権を握っていた。いいところが出た」と賛辞を贈った。

 原監督はこう続けた。「ベテラン2人(内海、杉内)が離脱したところで“ようし!”と思って投げているのかもしれないですね」。上半身のコンディション不良を抱える内海も開幕までの復帰を目指しており、先発候補は現時点で9人がひしめく。西村も「ローテーション争いが激しいので入れるようにこの調子を維持したい」と、まだまだ気を緩めるつもりはない。

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2015年3月9日のニュース