マー君 ダル重症に表情曇る「情報が全然ないので…」

[ 2015年3月9日 05:30 ]

練習後、地元記者の質問に答える田中

 薄暗い通路を引き揚げるヤンキース・田中の顔が曇った。ダルビッシュの右肘は自身が昨年経験したのと同じ重症。「すみません。情報が全然ないので…」。公式発表直後だけに、慎重に言葉を選ぶしかなかった。

 昨年、PRP療法で復帰する道を選んだ田中。周囲からは依然、懐疑的な目も向けられる中、この日は今季初めてシート打撃に登板した。マイナー2選手を相手に2回想定で延べ10人と対戦して1安打。29球中ボール6球と抜群の制球に「ストライクを取るにも困らなかったし、球もよく動いてた」と振り返った。

 左打者に対し、2ストライクから内角カットボールでボールの後、ツーシームで見逃し三振を奪う場面も。右肘故障を契機に習得した完璧な「フロントドア」に「入ってくる球を意識させておいて、ボールからストライクに。ああいう組み立てができれば幅は広がる」と手応えを口にした。

 キャンプ序盤はチーム方針により、中3日でのブルペン投球が続くなど、スロー調整が続いた。田中も「この時点でケガをしていたらシーズンなんかとても戦えないという感覚」と割り切って、一歩ずつ段階を上がっている。次回は12日(日本時間13日)のブレーブス戦でオープン戦初登板。「試合に入っていって体も強くなっていくのかなと思う。その反応も見てやっていかないといけない」と慎重に語った。

 ダルビッシュがどの手段を選ぶかは不明だが、手術を避けた田中の完全復活への道のりには、今後も注目が集まる。

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