ダル グッデン以来の名誉 新人から3年連続球宴選出は投手史上4人目

[ 2014年7月8日 05:30 ]

レンジャーズのダルビッシュ

 大リーグは6日(日本時間7日)、第85回オールスター戦(15日=日本時間16日午前9時開始予定・ミネアポリス、ターゲット・フィールド)の出場選手を発表し、レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)とヤンキースの田中将大投手(25)がともに選手間投票によりア・リーグの代表に選出された。ダルビッシュはメジャーデビュー年から3年連続3度目の選出となり、投手では大リーグ史上4人目の快挙。過去2 度の選出では出場がなかったダルビッシュの初登板が注目される。

 本人にとっては、3年連続のオールスター戦選出が意外だったのか。ダルビッシュは正直な胸の内を語った。

 「今年はまだ自分の満足いく投球がなかなかできていないので、(選ばれたのは)ちょっと何でかな、と思ったりしますけど…。でも光栄なことなのでうれしいです」

 今季は首の寝違えで開幕投手を回避するアクシデントがあったものの、ここまで16試合で8勝4敗、防御率2・63。数字的には夢の舞台に立つ資格は十分だが、4日のメッツ戦で5回4失点で降板するなど投球内容にばらつきがあり、本人はインパクトが足りないと感じているようだ。

 それでも選手間投票ではア・リーグ先発投手部門の5位にしっかり選ばれた。「(サイ・ヤング賞選考投票で2位だった)去年のイメージが残っていたのかなとも思う」と語ったように、他の大リーガーからは潜在能力や積み上げてきた実績を高く認められている証。デビュー年からの3年連続でのオールスター戦選出はシーバー、ニューカム、グッデンに続き大リーグ史上4人目。名高き伝説の投手の仲間入りを果たしたことになる。

 過去2度の選出では直前に右僧帽筋の張りで故障者リスト入りするなど出場はなかったが、今回は前半戦最終登板も9日のアストロズ戦となる見通しで、球宴まで「中5日」で登板に支障となるものは何もない。ア・リーグの先発は5度目の選出で防御率トップのヘルナンデス(マリナーズ)が最有力候補で、「僕は途中らへんでこそっと出ていって、知らないうちに帰ります」と言うダルビッシュは2番手以降、1イニングでマウンドに上がるとみられる。

 ナ・リーグではメジャー1位の打率・350を誇るトロウィツキー(ロッキーズ)や・324、13本塁打のマカチェン(パイレーツ)、21本塁打、62打点でリーグトップのスタントン(マーリンズ)が主軸。また、フルスイングが代名詞のゴメス(ブルワーズ)やキューバ出身のプイグ(ドジャース)らもいる。パワーと技術を兼ね備えた打者に対し、ダルビッシュは150キロを超える速球で勝負するのか、それとも切れ味鋭く球種も多彩な変化球で挑むのか。興味は尽きない。

 ≪新人からは投手史上4人目≫ダルビッシュはデビュー年から3年連続でのオールスター戦選出。7年連続のシーバー(メッツ)、ともに3年連続のニューカム(ドジャース)とグッデン(メッツ)に続き4人目となった。近年ではパペルボン(レッドソックス=現フィリーズ)が新人王資格のあった2006年から4年連続で選出されているが、大リーグ初登板は05年だった。

 ◆過去の新人から3年連続球宴選出投手◆

 ☆ドン・ニューカム(ドジャース 49~51年) 大リーグ史上初の黒人投手となった右腕。49年にドジャースで新人王。56年に27勝で最多勝とナ・リーグMVP、同年創設されたサイ・ヤング賞を獲得。通算149勝。打撃も得意で、62年には中日で外野手としてプレーした。

 ☆トム・シーバー(メッツ 67年~73年) 20年間の大リーグ人生で通算311勝を挙げた右腕。1967年にメッツで新人王に輝き、70年に大リーグ記録の10者連続奪三振をマーク。サイ・ヤング賞は3度受賞した。92年に野球殿堂入り。背番41はメッツの永久欠番。

 ☆ドワイト・グッデン(メッツ 84~86年) 84年メッツで新人王に輝き、翌85年に投手部門3冠(最多勝、最優秀防御率、最多奪三振)とサイ・ヤング賞を史上最年少の20歳で獲得した。「ドクターK」の異名を取った。通算194勝。一方で、薬物使用など数々のトラブルも。

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