「神話」終わった鳥谷、それでもメジャースカウトは…

[ 2013年5月29日 07:56 ]

<神・楽>9回2死、鳥谷(1)が二飛に倒れゲームセット

交流戦 阪神4-7楽天

(5月28日 甲子園)
 とうとう、「神話」が終わりを告げた。今季、ここまで鳥谷が打点を挙げた試合は10戦10勝と不敗を誇っていた猛虎。だが、この夜は違った。キャプテンが3安打2打点と気を吐くも、「勝利」の2文字は遠かった。

 相手先発は今季7勝無敗で、昨季から11連勝と勢いに乗る田中。3回にはその右腕から西岡、大和の1、2番コンビが先制機をつくりだし、3番・鳥谷がフルカウントから左中間へ先制二塁打を放った。「剛がヒットで出て、大和が一発でバントを決めてくれたので、いい流れの中で打席に立てた」。初回にもチーム初安打の右前打を放っており、この日の2安打を含めて田中との対戦成績は通算19打数9安打、打率・474、5打点。好相性を追い風に、バットでナインを鼓舞した。

 さらに1点を追う7回2死一、二塁でも、相手3番手・小山から右前適時打。一度は試合を振り出しに戻した。その勢いに乗って、8回には藤井彰が勝ち越し打。それでも、勝てない…。甲子園で先制すればチームは昨季から12連勝と敵なしだったが、その「神話」も崩壊した。

 とはいえ、攻守に存在感は抜群。そのプレーは随所で輝きを放った。この日は、レッドソックスのジョン・ディーブル環太平洋スカウトが甲子園で試合を視察。同スカウトは「個人のことなので何も言えない」と話すにとどめたが、日本人有望選手を視察に来たことは明白。海外フリーエージェント(FA)権取得済みの鳥谷の活躍も、目に留まったに違いない。

 この日、福留が手術を受け、長期離脱は避けられない状況となった。おのずとキャプテンが背負う重圧は増す。だが、頼れる背番号1なら大丈夫。次こそは自らのバットで、虎党を勝利の美酒に酔わせてみせる。

 ≪甲子園では今季初の逆転負け≫阪神が今季4度目の逆転負け。甲子園では初の屈辱で、昨季から継続していた同球場で先制した試合の連勝記録が12でストップ。この日は鳥谷が3回と7回の適時打で2打点。今季打点を挙げた試合は10戦全勝だったが、こちらも土が付いた。

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