ダル 5月100K到達 R・ジョンソン、シリングに並んだ

[ 2013年5月29日 06:00 ]

<ダイヤモンドバックス・レンジャーズ>迷彩柄の帽子をかぶったレンジャーズのダルビッシュは14奪三振の力投も8勝目ならず

インターリーグ(第2試合) レンジャーズ4―5ダイヤモンドバックス

(5月27日 フェニックス)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)が27日(日本時間28日)、ダイヤモンドバックスとのダブルヘッダー第2試合に先発し、7回2/3を7安打4失点。今季3度目で自己最多タイの14三振を奪い、両リーグ最速の100奪三振(105)に到達した。しかし、2点リードの8回に同点2ランを被弾。自身6試合連続の一発を浴び、リーグトップに並ぶ8勝目を逃した。チームも9回にサヨナラ負けした。

 納得の選択だった。2点リードの8回1死一塁、ダルビッシュはグリゴリアスを迎えた。2球連続でカットボールが地面を叩き2ボール。それでも捕手のピアジンスキーからカットボールを要求され、首を縦に振った。

 「厳しく突いて3ボールにするのが嫌」とストライクを取りにいった真ん中低めのカットボールを強振され、右翼席に運ばれた。グリゴリアスは相手先発で唯一、三振を奪っていなかった2番打者。「試合を通じてカットボールが多かった。3球目も来ると思った」と完璧に狙われていた。このカットボールで8勝目を逃したダルビッシュも「きょうは最後の本塁打だけ」と振り返ったが「信じて投げている球なので良かったと思います」と後悔はしなかった。

 戦没将兵追悼記念日で迷彩柄の帽子とユニホームを着用した一戦。「きょうは調子が良かった」という。直球は最速97マイル(約156キロ)を計測。手探りだった初回に4球で2点を先制されたが、カットボールでカウントを稼ぎ、宝刀スライダーで三振の山を築いた。3回に左のパーラを迎えた場面。真ん中から内角のボールゾーンまで急激に曲がり、空振り三振を奪った。予測できない変化に相手は窮屈なスイングをし、左ふくらはぎを痛めて途中交代したほどだ。今季2度目の無四球。カットボールが好調だったからこそである。

 奪三振は自己最多タイの14で、両リーグトップの105まで積み上げた。5月中に100を超えたのは、02年のカート・シリング、ランディ・ジョンソン(ともにダイヤモンドバックス)以来11年ぶりの快挙だ。ローテーションを順調に回って年間32試合に先発した場合、305三振のペース。そうなれば、02年のシリングとジョンソン以来の300超えとなる。それでも「三振を取る競技ではない」とまたも関心を示さず、こう言った。「どんな投球をしても勝たないとダメ」。この日、それを果たせなかったダルビッシュ自身が、一番良く分かっていた。

 ≪02年以来11年ぶり快挙≫ダルビッシュが今季3度目の14三振を記録し、今季通算105三振とした。5月中に100三振を超えるのは、02年のカート・シリング、ランディ・ジョンソン(ともにダイヤモンドバックス)以来、11年ぶりの快挙で、大リーグでもわずか22度目のスピード記録となった。また、1シーズンに3試合以上、14三振を奪うのも、04年にジョンソンが4度記録して以来となった。

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