帆足 新旧「47番」対決制した「幸運が残ってましたね」

[ 2013年5月29日 06:00 ]

<巨・ソ>6回3安打無失点の会心の投球で3勝目のソフトバンク・帆足は手を振って声援に応える

交流戦 ソフトバンク5-0巨人

(5月28日 東京D)
 ソフトバンク・帆足和幸投手(33)が28日の巨人戦に先発し、6回3安打無失点で今季3勝目を飾った。巨人・杉内俊哉投手(32)が11奪三振をマークしたのに対し、技巧派左腕は1奪三振で内野ゴロを打たせて取る持ち味を発揮。かつてホークスのエースだった左腕との新旧「47番」対決を制し、巨人から08年以来5年ぶりの白星を手に入れた。チームは2連勝で勝率5割に復帰し、ここから上位を目指していく。

 かつての47番のように、帆足には140キロを超える直球も鋭いスライダーもない。それでもスコアボードに「0」を並べ続けた。

 「杉内みたいに三振を取れるピッチャーではないので。(山崎)勝己がうまくリードしてくれました」。杉内が11三振を奪ったのに対し、帆足はわずかに1個。秋山監督が「ズラしていたね。ズレが良かった」と褒めたように、緩急自在の投球で打者のタイミングをズラした。

 初回2死一、二塁。ロペスを迎え、3ボール1ストライクから真ん中高めに118キロのパームボールを投げ込んだ。直前の4球目は138キロ直球を見せたことで、タイミングを外して二飛でピンチを切り抜けた。

 女房役の山崎が説明した。「向こうは遅い球を狙ってくるので、最初は速い球でいった。1、2、3巡目とピッチングを変えた」。直球は130キロ台中盤。それでも2回には亀井に全球直球を投げ込むなど、決して速くない球をいかに利用するかを考えた。

 巨人打線との対戦が2巡目に入ると、今度はパームボールに加え、100キロ台のカーブを有効に使った。6回まで許した安打はいずれも坂本に許した3本だけ。阿部、長野ら並みいる強打者を抑え、高山投手コーチも「帆足は完璧。彼らしさが出てた」と満足顔だった。

 ホークスの「47番」は、巨人に移籍するまで杉内が10年間背負ってきたものだった。その杉内とは九州三菱自動車時代から10年以上の付き合いとなる。毎オフ、福岡に帰省した際には一緒にゴルフに行く間柄だ。

 昨オフ、47番を引き継ぐ際に、帆足は杉内に電話をすると、「幸運な番号だから勝てるようになりますよ」と言われた。注目を浴びた新旧47番対決は「相手打線が凄いので、気にする余裕はなかった」と振り返ったが、「幸運が残ってましたね」と笑った。

 これまで交流戦、日本シリーズと計3度先発し、白星がなかった東京ドームで、かつての47番に投げ勝ち、チームは勝率5割に復帰した。「ここから頑張っていかないと…」。昨年は左肩痛に泣き、わずか1試合登板に終わった。そんな悔しさを晴らすには、白星を積み重ねていくしかない。

 ▼ソフトバンク・王貞治球団会長(長嶋氏とは5日の国民栄誉賞授与式以来の対面)凄く元気だった。選手の話とかいろんな話をした。とにかく元気でいてもらわないと。

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2013年5月29日のニュース