中田V1号!苦手の唐川から“狙い打ち”「1球で仕留めた」

[ 2013年4月5日 06:00 ]

<ロ・日>6回、豪快な左越え決勝弾を放った日本ハム・中田

パ・リーグ 日本ハム8-5ロッテ

(4月4日 QVC)
 日本ハムの中田翔内野手(23)が4日、ロッテ戦で決勝の今季1号ソロを放った。2―2の6回に、ロッテ・唐川侑己投手(23)から左翼席中段に叩き込んだ。開幕5戦目での1号はプロ6年目で自己最速。3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では打撃フォームが固まらず苦しんだが、3連敗中のチームを一振りで救い、主砲としての存在感をいかんなく発揮した。

 ドンピシャだった。同点の6回無死。大きく左足を上げた中田は1ボールからの2球目、外寄りのスライダーをフルスイングで捉えた。高々と上がった打球が弾んだのは左翼席中段。今季21打席目に飛び出した若き4番の1号ソロが、試合の流れを大きく変えた。

 「それまでの配球で、直球は見せ球なんだろうなと。スライダーを待っていて、1球で仕留められて良かった」

 昨季は6試合25打席目の初安打が1号。今季は開幕戦から安打は出ていたが、待望の一発だ。「球場の雰囲気をがらっと変えられるのがホームラン」と中田は胸を張る。栗山監督も「翔が打つと流れがね。あの後(の猛攻)を引っ張り出す。チームを支える人間が持っているもの」と絶賛。前日には兄貴分のダルビッシュ(レンジャーズ)が9回2死まで完全試合の快投を演じたが、この日は自身も続いた。この回一挙6点のビッグイニングの呼び水となり、チームの連敗を3で止めた。

 侍ジャパン野手最年少の23歳で臨んだWBCでは6試合に先発出場。ただ立浪打撃コーチと取り組んだすり足の打撃フォームでは長打が出ずに悩んだ。大会中、主将・阿部(巨人)にも遠慮せず相談。入団時から教えを受けた師匠で、今季からオリックスに移籍した福良ヘッドコーチにも連絡して助言を求めた。2次ラウンドの1位決定戦前には立浪コーチに「足を上げたい」と直訴。天性のアーチストは、本来の打撃スタイルにこだわった。

 大会中、米国移動のチャーター機内では中田にもビジネスクラスの席が用意されたが、飛行が始まるとスタッフ用のエコノミーに移動。横に並ぶ数席の肘掛けを全部上げると横になって寝始め、着陸寸前まで爆睡したという。そんな豪快な男も、大会後にチームに合流すると「疲れた。シーズンが終わったみたいや」と漏らしたこともあった。

 07年の高校生ドラフトで由規(ヤクルト)とともにビッグ3と称された同期のライバル・唐川から初めて放った一発。「向こうは1軍デビューが早いし、刺激を受けてやってきた。打てて良かった」。これで5日の本拠地開幕戦を気持ち良く迎えることができる。

 開幕前は札幌市内の自宅で1月に生まれた長女と貴重な時間を過ごしてリフレッシュ。昨年1月に結婚した夫人が用意した尾頭付きのタイ、赤飯などの手料理を食べて出陣した。家族は何よりの支え。「ホームに帰ったら、また違った雰囲気でできる」。中田のバットがチームを加速させる。

 ≪最速1号≫中田(日)が6回に唐川(ロ)から勝ち越しの1号ソロ。年度別のシーズン初本塁打を見ると、今季のチーム5試合目は昨年を抜く最速1号になった。また、唐川には試合前まで21打数4安打の打率.190で、0本塁打、1打点。同期生を苦手にしていたが、通算28打席目で初アーチが飛び出した。

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