マー君は「15年に一人の逸材」 視察メジャー15球団絶賛!

[ 2013年3月16日 06:00 ]

<ジャイアンツ・日本>初回2死一塁、ポージー(手前)を見逃し三振に斬る田中

練習試合 日本6―3ジャイアンツ

(3月14日 スコッツデール)
 「世界一の4番」を斬った!第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を狙う侍ジャパンの田中将大投手(24)が14日(日本時間15日)、当地で行われたジャイアンツとの練習試合に先発。2回を3安打1失点ながら、昨季のナ・リーグMVPで世界一の原動力となったバスター・ポージー捕手(25)から三振を奪った。15球団が集結したメジャーのスカウトも称賛の嵐。19日(同20日)の決勝戦へ、侍エースが準備を整えた。

 ポージーのバットはピクリとも動かなかった。球審の右手が上がる。見逃し三振。球場に詰めかけた7000人以上のファンからため息が漏れた。田中はゆっくりと三塁ベンチに歩を進めた。

 「1点は取られたけど、内容は良かったし、手応えは感じている。気候は変わったけど、WBC球の違和感もない」

 初回2死一塁。昨季の首位打者で、ナ・リーグMVPにも輝いた25歳の 若き4番ポージーを迎えた。2ボール2ストライク。最後は糸を引くような、この日最速94マイル(約151キロ)の直球が外角低めに収まった。続く2回に不運な安打から1点を失ったものの、2回を3安打1失点で3奪三振。リーグ優勝決定シリーズMVPのスクタロ、ワールドシリーズMVPのサンドバルと「MVPトリオ」を並べた世界一軍団との対戦を終え「カーブでゴロを打たせることもできた。感じは悪くない」と振り返った。

 チーム最年少の20歳だった前回09年大会では準決勝の米国戦で中継ぎ登板し、ヤンキースのスーパースター、ジーターと対戦。遊ゴロに抑え「ジーターと対戦したことは自分にとってプラスになった」と話す。メジャーの強打者との対戦は現時点での「自分の位置」を測ることができ、抑えれば自信にもなる。WBC開幕となった2日の1次ラウンド・ブラジル戦は結果を残せずに2回1失点で降板。しかし、中継ぎ登板したその後の3試合で徐々に調子を上げ、この日のポージーとの対戦で自信も取り戻した。

 早ければ今オフにもポスティング・システム(入札制度)を利用してメジャーに挑戦する。この日はメジャー30球団の半数となる15球団のスカウトがネット裏に集結した。レッズのキャム・ボニフェイGM特別相談役は「4つの球種が全部光っていた。(米国移籍なら)人気が出そうだ」と評した。また、あるア・リーグのスカウトは「直球の制球が素晴らしい。オフは争奪戦になる。15年に一人の逸材。スプリットは野茂英雄に少し似ている」と絶賛した。

 試合後、山本監督は「決勝戦で先発起用するか?」という質問に「当然、そういうことになる」とうなずいた。「決勝に向け準備するだけ。もうやるだけです」と田中は力強く言った。結果が出せなかった悔しさ、中継ぎの経験。その全てを糧とし、世界一を決めるAT&Tパークのマウンドに上がる。

 ▼エンゼルス、ハル・モリス・プロスカウト部長 田中は凄く良かった。メジャーでローテーションに入る力がある。直球も制球も全てが良かった。松坂やダルビッシュとは比べられないが、活躍できる。

 ◆バスター・ポージー 1987年3月27日、米ジョージア州生まれの25歳。フロリダ州立大を経て、08年にドラフト1巡目(全体5位)指名でジャイアンツに入団。09年9月にメジャーデビューし、10年には打率.305、18本塁打でナ・リーグ新人王を獲得。11年5月に本塁のクロスプレーで左腓骨(ひこつ)骨折などの重傷を負ったが、昨季は開幕から復帰し、首位打者(打率.336)、リーグMVPを獲得した。1メートル85、93キロ。右投げ右打ち。

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2013年3月16日のニュース