福留 弾丸1号!オフに争奪戦DeNAに強烈“恩返し”

[ 2013年3月16日 06:00 ]

<D・神>初回1死一塁、2ランを放った阪神・福留はナインに迎えられる

オープン戦 阪神14―4DeNA

(3月15日 横浜)
 阪神・福留孝介外野手(35)が15日、DeNA戦でオープン戦初本塁打を放った。初回1死一塁、3ボールから右中間スタンドに運んだ。日本では、中日時代の07年7月3日の広島戦(福井)以来、実に2082日ぶりのアーチ。オフに阪神とともに入団交渉を行ったDeNAへ、強烈な「恩返し」の一発ともなった。

 まさに驚弾だ。重力に逆らうかのような福留の打球。低い弾道のまま、加速度を上げて右中間席に突き刺さった。

 「オープン戦だしね。自分のスイングをするだけ。自分の練習のためにやっている。ただ、悪くはない。自分のスイングができている」

 何事もなかったかのように振り返った初回1死一塁。3ボールから真ん中よりの低め直球を捉えた。積極性の光る一撃にも、「状況に応じてだが、常に自分のタイミングで打つ準備はしている」とさらりと言い放った。

 もっとも、驚きを隠せなかったのが三塁側ベンチの和田監督だ。「際どい球を見逃して甘いのをガツン」と失投を捉える確実性を称えた上で、「あんな打球を見たのは久しぶり。あの低さで入るのはよっぽど芯で打ったということ」と感嘆のため息を漏らした。

 福留にとって、横浜スタジアムはセ・リーグ本拠で最も得意とする球場。317打数102安打の打率・322は中日時代の本拠であるナゴヤドームの・318を上回る。DeNAは阪神と同様、最後まで自らにラブコールを送ってくれた球団。敵将の中畑監督は「額面通り。本番でもわれわれを苦しめると思う。1年間通して楽しみな対戦ができるといい」と悔しさを押し殺したが、「恩返し」の一発となった。

 足でも魅了した。3回無死一塁から四球で出塁し、次打者・新井良の中飛で二塁へタッチアップ。二、三塁と好機を広げた。「センターが向こう(三塁方向)を向いていたからこっちに来ないな、と。投げる瞬間に判断した。同じ外野手をやっているしね」。隙を突く好走塁に山脇外野守備走塁コーチは「チームのために、ということ」と頬を緩めた。開幕は2週間後。臨戦態勢は整いつつある。

 ▼阪神・コンラッド(3回にオープン戦2号となる満塁弾)いい感じで打てた。ステイバックの意識をしっかりと持ちながらできた。

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