浦添商が甲子園切符一番乗り　宮里の力投が逆転呼んだ

夏の甲子園出場を決め、喜ぶ浦添商ナイン

沖縄大会決勝 浦添商８－５沖縄尚学

（7月15日 沖縄セルラースタジアム那覇）
　どんな逆境に立たされても諦めなかった浦添商ナインに勝利の女神はほほ笑んだ。最後の打者が一飛に倒れると、エース宮里を中心に出来上がった歓喜の輪。「きょうは最高の投球ができた」。２番手で登板し、５回１安打無失点の好投。逆転を呼んだ宮里はうれし涙を光らせた。

　先制され、２度勝ち越される苦しい展開。流れを変えたのが、宮里の力投だった。５回無死三塁から登板し、直後に味方の失策で勝ち越しを許すも、逆転を信じて１４０キロを超える直球で押しまくった。

　打線が背番号１の奮闘に応えた。６回に当真の適時二塁打で５―５の同点とし、８回に相手失策やスクイズなどで３点を勝ち越し。この試合初めて奪ったリードを、宮里が帽子を飛ばしながらの熱投で守った。就任２年目の宮良高雅監督は「きょうは宮里に尽きる。エースとして気迫あふれる投球。あっぱれです」と褒めちぎった。

　親友との約束を守るためにボールに魂を込めた。先発し、４回０／３５失点だったプロ注目の１５１キロ右腕・照屋とは小学校からずっとチームメートだった。高校進学時には「浦商で甲子園に行こう」と誓い合った。「照屋の分までしっかり抑えようと力が入った。（２人にとって）沖縄で最後の試合だったし、気持ちが入った」と宮里は充実の汗を光らせた。

　４年ぶりにつかんだ夏切符。照屋は「４年前はテレビで観戦した。先輩たちの堂々とした戦いぶりを覚えている」と興奮を隠せなかった。０８年はベスト４進出。宮里、照屋の「Ｗエース」で先輩たちを超える深紅の優勝旗を狙う。