野村 マエケン抜き防御率1位も冷静「まだ前半戦」

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<D・広>7回を投げ終え、右手でグラブを叩く野村

セ・リーグ 広島7-1DeNA

(7月15日 横浜)
 おとなしい、童顔の広島・野村の表情が一変した。拳を握り、大きく吠える。4―1の6回2死二塁。4番・ラミレスを空振り三振に仕留めると、珍しく感情をあらわにした。

 「自分のミスからだったし、あの場面は力が入った。点を取ってもらったあとで、どうしても抑えたかった。粘るところで粘れたので良かった」。7回を3安打1失点、自責点は0で防御率を1・41とし、同僚の前田健を抜いて再びトップの座に躍り出た。

 ラミレスに対し、最初の2打席はいずれも安打を許していた。6回は自身の失策から2死二塁。一塁が空いていたが、逃げる気は一切ない。内角に食い込む球でファウルを打たせてカウントを稼ぎ、外の変化球で仕留めにかかる。7球目。外角低めのボール球の136キロスライダーを思惑通りに振らせた。

 この日は外野方向へ強風が吹き、最大瞬間風速は15・8メートル。上空に上がった打球は伸びていた。野村は徹底的に低めを突く。許した安打は単打3本で、外野への飛球は6。「こういう風は経験したことがない。いつも通り、低めに」と話したように、1年目にして冷静さが際立つ。6回には自ら中前適時打。バットでも勝利に貢献した。

 「前半戦の終盤。これからが勝負。これからも変わらず、勝てるように頑張る」。試合でのガッツポーズなどなかったかのように、試合後は冷静な口調だった。防御率1位のタイトルを獲得すれば、ルーキーでは99年の巨人・上原(レンジャーズ)以来。しかし数字の話題には「まだ前半戦。シーズンを通して」と乗ってこない。「前半戦最後の投球で勢いを止めず、いい投球をしてくれた」と野村監督。ルーキーの不動の安定感は、後半戦も変わらない。

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2012年7月16日のニュース