連合チーム相双福島、延長で敗退も「笑顔でプレーできた」 

[ 2012年7月16日 20:15 ]

延長12回の末、光南高に敗れ、悔しさをかみしめる「相双福島」の選手

 夏の高校野球福島県大会に16日、原発事故で被災した双葉高、原町高、相馬農高の3校連合チーム「相双福島」が出場した。光南高と対戦し、延長戦の末、1―2で敗れたが強豪相手に善戦。西山樹主将(18)は「笑顔でいこうと思っていた。悔いはないです」と振り返った。

 白河市の天狗山球場で行われた2回戦。「打て!絶対打て!」。12回裏2死、応援席から声援が飛んだ。相双福島のマネジャー和田山怜奈さん(18)も涙声で叫び続け、最後の打者が三振に終わった瞬間、泣き崩れた。

 試合は、1回に1点を先制された相双福島が3回に追いつき、その後は両チーム一歩も譲らないまま延長に。11回裏にはサヨナラのチャンスもあったが逃し、12回表に決勝点を許した。

 試合後のロッカールームでは「自分のせいだ」と、11回裏に三振に終わった金山大地選手(18)が号泣。西山主将は「よくがんばった」と抱き締めた。

 3校合同の練習は週末にしかできなかったが「週に1度しか会えないからこそ、仲間を大切に思うようになった」と管野秀一部長(45)。試合後笑ってチームメートと握手した西山主将は「僕たちのプレーが一人でも多くの人の力になれたらうれしい」と語った。

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