43歳山崎が20歳宮国討ち 激走決勝二塁打

[ 2012年7月16日 06:00 ]

<中・巨>お立ち台で満面の笑顔でファンに応える山崎(左)と吉見

セ・リーグ 中日3-1巨人

(7月15日 ナゴヤD)
 走った。必死に膝を上げた。43歳・山崎の激走は同点の5回2死一、二塁だ。4月24日ヤクルト戦(神宮)以来の4番に座ったベテランが、決勝の左翼線2点二塁打。送球間に三塁へ。ちょっぴり息が上がっていたのはご愛きょう。初回1死一、二塁での右安打は二塁走者が本塁で憤死、得点にはならなかったが「おじさん」は元気だ。今季1号アーチを放った前日はヒーローになり損ねたが、実数発表後の最多観客数を更新する3万8381人のファンの大歓声をお立ち台で一身に浴びた。

 「球団社長から、2日分しゃべってこいと言われた。仙台は2万人ですけど、名古屋は4万人ですから。満員のお客さんの前で立てて幸せです」

 6月は24打数2安打。26年目という長いプロ野球人生で、何度も経験したスランプにあらためて苦しんだ。「この年になって、考えるのがこれだけ疲れるんだと分かった。眠れないし、体も重いし、気も短くなる。いいことは何もない」。どん底の中で思い出したのは楽天時代の恩師・野村克也氏(77)の「野球のことは野球で解決するしかない」との言葉。前日の今季1号で吹っ切れ、気持ちを切り替え、値千金の一打につなげた。

 大ベテラン陣の活躍でもぎ取った1勝でもあった。3番に40歳の和田、4番が43歳の山崎、5番に41歳の谷繁。日本球界初の「40歳代クリーンアップ」で初回2死満塁のチャンスをつくり、20歳の宮国のボークで先制点を奪った。山崎を4番に抜てきした70歳の高木監督は「よう打ったね。4番にしないと打たないんかな」と上機嫌だった。

 巨人との前半戦最後の3連戦は1勝1敗1分けで両者譲らずゲーム差は3。戦力では敵軍に劣るかもしれないが、高木竜には百戦錬磨の猛者たちの「経験」という大きな武器がある。

 ▼中日・岩瀬(前日は逆転を許したが、3人でピシャリ)きょうは絶対にやられるわけにはいかないと思ってマウンドに上がった。

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2012年7月16日のニュース