一発あり犠飛あり…乱打の七夕 巨人逆転勝ちで締めた

[ 2012年7月8日 06:00 ]

<巨・神>阪神に勝利し、ファンとタッチを交わす高橋由

セ・リーグ 巨人7-5阪神

(7月7日 東京D)
 日本各地で繰り広げられた七夕の乱打戦。最後を締めたのは巨人だった。唯一のナイターとなった7日の阪神戦で巨人が逆転勝ち。3連勝を飾った。同点の5回に高橋由伸外野手(37)の右犠飛で勝ち越すと、7回にも高橋由が右前適時打を放ちダメを押した。両軍合わせて12得点を奪ったことで、この日のプロ野球6試合の合計得点は70点。昨季の統一球導入後、一日の最多合計得点となった。

 派手な七夕を締めくくったのは巨人打線だった。一発あり、犠飛ありと硬軟織り交ぜた攻撃で阪神に逆転勝ち。12球団中9球団が2桁安打を放った七夕の一日を、多彩な得点シーンで彩った。原監督は腕を組みながら満足そうに振り返った。「いろいろな得点の取り方というか、バリエーションが今はある。意外性の一発があったり。その辺が、ここのところいい流れで来ている」。

 1年に1度しか会えない織り姫と彦(ひこ)星のように、打線にも我慢強さがあった。2点を追う5回無死二、三塁から、村田の二ゴロが平野の本塁悪送球を誘って同点。なおも無死二塁から阿部の右飛で1死三塁とし、能見に引導を渡したのは高橋由だった。右翼後方に決勝の右犠飛。「何とかしたいと思っていたし、僕でなくても何とかと思っていただろうしね」。一塁ベース付近で三塁走者の村田の本塁生還を見届けると、ポンポンと手を叩き、ガッツポーズ。7回2死満塁からも通算1600安打目となる右前適時打を放ち、3日連続でヒーローインタビューに招かれた。5日のDeNA戦では決勝の6号ソロを放つなど、これで阿部、村田に次ぐチーム3位の5度目の勝利打点。珍しくあらわにした感情は「みんな常に思ってやっている」という打線のつながりを生んだからこそだった。

 色とりどりの短冊を思わせる得点能力が今季の打線の象徴だ。高橋由の勝ち越し犠飛でチームはヤクルトと並びリーグトップの15犠飛。24犠飛だった昨年より速いペースだ。一方で1―3と逆転された2回の同点劇は自慢の一発攻勢。寺内の09年以来3年ぶりとなるプロ2本目の1号に、長野の9号と2本の左越えソロも大きかった。5回の逆転劇は相手の失策がからんだこともあり、原監督は「きょうはツキがあったね。紙一重のところがあったけど、ジャイアンツがついていた」。

 これで6月11日のロッテ戦以来、東京ドームでは1分けを挟んで7連勝。折り返しの72試合目を首位でターンした。「(重盗など)タイガースも思い切った作戦をしてきたし、それを受け止めてひっくり返せたのは大きかった」と原監督。七夕の夜の白星に3年ぶりのリーグ制覇への願いを込めた。

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2012年7月8日のニュース