新井だったら…阪神 9回満塁機で“4番”不在 捕手2人制がアダ

[ 2012年4月21日 08:10 ]

<D・神>7回、新井に代え、4番に岡崎を告げる和田監督

セ・リーグ 阪神1-3DeNA

(4月20日 横浜)
 阪神が10日間にわたって守っていた首位の座から陥落した。20日のDeNA戦で2点を追う最終9回、新井に代えて途中から打順4番に入れていた岡崎に2死満塁の好機が巡り、二ゴロで追撃が断たれた。捕手2人制の不運に見舞われた終幕…。元をたどれば、走塁ミスが重なるなど中盤までの拙攻が響き、和田豊監督(49)は厳しく戒めた。

 淡い期待がかなうほど甘くはない。最終9回、2点差を追った攻撃は2死満塁でついえた。二、三塁から鳥谷が当然のごとく敬遠され、最後の打者は岡崎だった。今季3打席目、無安打の男に託すのは酷だろう。バットを折られ、二ゴロに倒れた。2死満塁で迎えた4番の打順。本来ならば同点、いや、逆転の希望を託せる新井は既にベンチへ下がっていた。

 追いかける側として当然の勝負に出た。「戦力を残して負けたくないから」。普段から掲げる攻めの姿勢に従って7回、先頭打者だった捕手の小宮山に代打の関本を送った。後続の攻撃で1点を返した後だ。2死二、三塁で遊ゴロに倒れた新井に代える形で捕手の岡崎を送り出した。4番を下げる采配は和田監督にとって苦渋の、ただ、最善の選択肢だった。

 「それはもう仕方がない。(8回の失点で)2点差になったのは誤算だったけど、岡崎に関しては、あそこに入れる以外は考えられない」

 8回の攻撃は5番のブラゼルから始まる。残り2イニングで8番の関本には絶対に打席が回り、新井の5打席目は絶対ではなかった。2人しかいない捕手を使い切り、経験者の浅井は万が一の有事に対する備え。岡崎に代打を出せない以上、“最も遠い”打順に置くしかなかった。それが4番で、くしくも最終盤の好機が巡っただけだ。

 仮に1点差のままなら9回の代走、大和は2人目の走者の平野ではなく1人目の桧山に対して出せた。新井を交代させても少なくとも同点までの絵は明確に描いていた。

 だから、和田監督は不運を嘆かなかった。目指すのは運に頼る野球ではない。「きょうは負けるべくして負けた」。ブラゼル、マートンの凡走に加え、小宮山のスクイズ失敗、柴田のバント失敗も…。中盤までの拙攻はミスが重なった。

 最下位のDeNAに対して1勝2敗1分けで黒星が先行。「開幕3連戦は特別な雰囲気の中でいい試合をしてしまった。きょうも苦手意識とかじゃない。自滅というか、これだけミスが出たら勝てない。挙げていったら切りがないくらいミスが出た。二度とないようにチェックしていく」。首位陥落は眼中にない。大事な足元を見つめて苦言を残した。

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2012年4月21日のニュース