一発に泣いたエース 和田監督「きょうは能見うんぬんじゃない」

[ 2012年4月21日 09:18 ]

<D・神>4回、中村に先制2ランを浴び、ボールの行方に視線を泳がす能見

セ・リーグ 阪神1-3DeNA

(4月20日 横浜)
 無情の放物線が横浜の夜空を駆けた。両チーム無得点で迎えた4回、阪神・能見が力勝負に敗れた。

 先頭の石川に死球を与え、無死一塁で迎えた中村との勝負。フルカウントからの8球目、142キロの直球がやや真ん中に入ったところを見事にとらえられた。打球は左翼スタンド最上段に突き刺さる先制2ラン。能見自身今季初、チームとしても4本目の被本塁打が重たい2点となった。

 「(中村とは)タイミングがよく合いますよね」と、試合後は努めて明るく振り返った背番号14。手痛い一発はそのままDeNAの決勝打となり、6回6安打2失点の左腕には今季初黒星が記録された。

 序盤は完ぺきと言える内容だった。初回、先頭の渡辺直、石川、中村をわずか8球で料理すると、2回もラミレスを129キロのフォークで3球三振に仕留めるなど3者凡退。「調子は普通だった」と話したが、直球の最速は145キロを計測するなど、前回13日の中日戦(甲子園)よりも球威は増していた。

 DeNAと前回対戦した3月30日の開幕戦では、一時は逆転を許すなど7回8安打3失点と不本意な内容で降板した。今季2度目の顔合わせに、能見は「開幕で打たれているので、やり返したい思いはある。(前回は故障でスタメンから外れていた)ラミレスも戻っているし、ランナーをためないようにしていきたい」と“リベンジ”を誓っていたが、打線の援護にも恵まれなかった。

 それでも、力投のエースを責められない。和田監督も「(2失点は)しっかりゲームをつくった点数。きょうは能見うんぬんじゃない」とかばった。藪投手コーチも「何とか2点で抑えてくれたし、よく投げたと思う」と変わらぬ信頼を口にした。

 「結果的にそうなって(負けて)しまったんでしっかり受け止めたい。まだ始まったばかりですからね」。前向きな言葉を発したエースの目は、すでに次なる戦いへ向いていた。

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2012年4月21日のニュース