ダルの座継ぐ!斎藤プロ初完封でリーグ単独トップ3勝目

[ 2012年4月21日 06:00 ]

<オ・日>プロ入り初完封の斎藤は喜びを噛み締めるようにベンチを見て静かに拍手

パ・リーグ 日本ハム5-0オリックス

(4月20日 ほっと神戸)
「背負ってる男」が初完封!日本ハム・斎藤佑樹投手(23)が20日、オリックス戦でプロ初完封勝利をマークした。相手打線に8安打されながら最後までホームは踏ませず。3勝目はハーラー単独トップとなった。昨季までの絶対エース、レンジャーズのダルビッシュ有投手(25)が海の向こうで2勝目を挙げた同じ日に白星。エースの座を受け継ぐ存在としてふさわしい快投だった。

 初めてスコアボードに「0」を9個並べた。自己最多となる131球目。9回2死。坂口を遊ゴロに打ち取った斎藤は、鶴岡に頭をポンと叩かれると照れ笑いを浮かべた。チームを首位に押し上げる快投。そのスタイルも、姿形も違う。しかしダルビッシュがいなくなっても、チームには斎藤がいる。正真正銘のエースの後継者がいる。

 「何か不思議な感じ。鶴岡さんにおめでとうと言われたけど、何のことかよく分からない。勝ちたいという気持ちが強かった。素直にうれしい」

 直球は切れ、スライダーがさえた。右打者のツーシーム、左打者へのカットボールも効果的。「カードの頭を投げている。意地はあった」。7回1死一、三塁では坂口を、この日最速の139キロ外角直球で見逃し三振、大引を右飛に仕留めた。甲子園で2度、東京六大学のリーグ戦では5度の完封はあるが、プロでの味は格別だった。

 7回を終え、吉井投手コーチから打診された。「どうする?」「まだ行きます」。宿命のライバル、楽天・田中と投げ合った13日(札幌ドーム)は7回途中で交代。硬い表情でマウンドを降り、翌日も「何で(交代)なのか分からない」と漏らした。悔しさを晴らす。フォームのバランスを取り戻すため、遠投でフォーム修正。キャッチボールで力を抜いたフォームからリリース時だけ力を入れる脱力投法も習得中だ。「ボールにかかるスピンが良くなっている」。成長を認める吉井コーチは「(完封は)自信になると思う」と話した。

 ダルビッシュが抜けた中で獅子奮迅の働き。この日、海の向こうでは前エースが2勝目を挙げた。斎藤は投球は見ていなかったが、今季は「ダルさんの穴を少しでも埋められるように」が口癖だ。開幕直後にはツイッターで「斎藤に7~10完投、170~190イニングは投げてほしい」と激励された。4試合で2完投、31イニング。その「ノルマ」もクリアしそうだ。

 昨季は開幕2連勝後、4試合目で左脇腹を痛め戦線離脱。3勝目を手にしたのは7月17日だった。「この3勝目は早く取りたいと思っていた。4月に取れた。この流れでいきたい」。それでも栗山監督の口調は厳しい。「(7回の)バルディリスは、追い込んで四球を出すなんて。開幕投手をやっているんだから、ちゃんとやれって」。何よりダルの後継者として期待するからの言葉だ。誰よりも多くのものを背負う背番号18。自覚と責任感が、さらに斎藤を大きくする。

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2012年4月21日のニュース