満身創痍の作新・飯野 本塁憤死で散る

[ 2011年8月20日 06:00 ]

<作新学院・光星学院>9回2死一、二塁、鶴田の右前打で二走・飯野は本塁突入もタッチアウトでゲームセット

第93回全国高校野球選手権大会準決勝 作新学院0―5光星学院

(8月19日 甲子園)
 49年ぶりの頂点を目指した作新ナインの夏が終わった。5点を追う9回、鶴田の右前打で二塁から本塁を狙った飯野が憤死してゲームセット。16日の八幡商(滋賀)戦で交錯プレーの際に左上歯茎部分を骨折した。

 何とか1点を――。歯8本をワイヤで固定した状態だったが「点が入るならまたケガをしてもよかった。悔いはない」。痛み止めの薬を服用しながら、最後まで闘志あふれるプレーを貫いた。

 5試合連続で先発した2年生右腕の大谷が、初回にいきなり2点を失った。3回途中には降雨のため1時間32分の中断。それでも6回1死二塁で飯野にマウンドを引き継ぐまで、走者を出しながらも粘りの投球を続けた。「雨で手元が狂ったけど、内角を攻めることはできた。甲子園には忘れ物をしたので、(来年の)センバツと夏に獲りに戻ってくる」と誓った。

 飯野は20日が18歳の誕生日。「本当は決勝でプレーしたかったけど、最高の夏になった。大谷たちはまたこの舞台に来てくれる」。後輩との絆を胸に戦った夏の思い出。それが何よりのバースデープレゼントだ。

 ▼作新学院・板崎主将 相手(秋田)はいい投手で、打者もスイングが鋭かった。実力の差があったけど、自分たちのできることを思い切ってやれた。

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2011年8月20日のニュース