小川監督 球団史上最速100勝も“らしく”「俺は関係ない」

[ 2011年8月3日 06:00 ]

<中・ヤ>ヤクルト歴代最速で通算100勝目を決めた小川監督(左)は笑顔でナインを出迎える

セ・リーグ ヤクルト1-0中日

(8月2日 ナゴヤD)
 メモリアルゲームでも指揮官は黒子に徹した。守護神・林昌勇(イムチャンヨン)が1点リードの9回を締めると、小川監督は三塁側ベンチ前で石川と握手を交わした。昨年5月に監督代行に就任。チームの指揮を執って176試合目で球団史上最速の通算100勝達成。それでも、口をついて出るのは選手への祝福だけだ。

 「俺は全然関係ない。石川が勝って本当に良かった。ホッとしています」。6月25日の横浜戦(神宮)を最後に白星に恵まれなかった石川は序盤、決め球のシンカーを封印。中盤以降は、その伝家の宝刀を駆使して8回無失点に抑えた。指揮官はエースの今季6勝目が何よりうれしかった。

 石川も感謝している。02年の入団当時に2軍練習場の埼玉・戸田へ行くと、2軍監督だった小川監督から「こういう場面なら投手はどう考えるの?」と投手心理に関する質問を受けたという。指導者が選手と横並びの視線を持ち、個々の考え方を理解しようとしている。石川は「野球に熱い人だと思いました。選手のことを考えてくれている。胴上げしたいという気持ちをみんなが持ってるんです」と感動を忘れていない。

 小川監督は後半戦開始にあたり、選手に「優勝したいという気持ちをもっともっと強く持っていこう」と呼びかけた。7月に読んだ雑誌で、昨年にサッカーW杯日本代表監督を務めた岡田武史氏が敗因について「自分の勝利への執着心が足りなかった」と語ったことに感銘。雑誌にラインを引いて3度も読み返し、チームの糧とした。

 試合後の移動バス。石川が通算100勝目のウイニングボールを手渡そうとすると、小川監督は「受け取れない」と固辞。押し問答の末に、指揮官の隣にいた大木勝年球団常務の手になぜか渡された。今季最多タイの貯金15は温かな絆から生まれている。

 ≪プロ野球最速は131試合≫小川監督が代行だった昨季と合わせ、通算176試合目で100勝(62敗14分け)を達成。ヤクルトでは高田監督の200試合を抜き最速での到達となった(他球団の監督経験者を含む)。初就任時からの最速100勝は、37年秋に達成した石本秀一(タイガース)の131試合(28敗3分け)。現役監督では原監督(巨)の167試合、落合監督(中)の170試合に次ぎ3位となる。

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