本人もびっくり!長野 飛ばない統一球で140メートル決勝弾

[ 2011年7月3日 06:00 ]

<巨・中>中日に勝利し、鈴木尚(左)とヒップアタックして喜ぶ長野

セ・リーグ 中日1-2巨人

(7月2日 東京D)
 ゴルフのドライバーショットのように鋭く伸びる打球に、左翼手の中日・和田が一歩も動けなかった。1―1の8回2死。巨人の長野が、チェンの真ん中低めの直球を東京ドームの左翼2階バルコニー席へ運んだ。

 「速球に力があるので、振り負けないようにと思っていた。あそこまで飛ぶとは思っていなかったし、自分でもびっくり」

 140メートルの特大弾。今季の巨人では、6月15日のロッテ戦(東京ドーム)のラミレスに並ぶチーム最長弾だ。

 飛距離が出ないとされる統一球も、生まれ持ったリストの強さと創意工夫で見事に対応している。4月中旬の広島戦(マツダ)。試合前のフリー打撃で、左翼席後方のネットを直撃する特大弾を連発。右手でボールを押し込めるからこその芸当で、走塁練習中の坂本が「外国人や。外国人」とあきれるほどだった。選手間投票での球宴初出場も決定。ラミレスが「長野がダルビッシュから本塁打を打つと思う」と予想すれば、原監督もこの日の一発に「打球音がほかとまるで違う」と絶賛した。

 ルーキーの昨季は新人王を獲得。「去年は何も分からない状況でやってきた。1年やって今年は気持ちに多少余裕がある」。統一球対策として、昨季より10グラム重い920~930グラムのバットを使用。素振りでは1・5キロのマスコットバットに1キロのおもりをつけて2・5キロの重さで振り込む。その姿は2年目のジンクスを振り払うようでもある。

 打率・319。ヤクルトの青木(・322)と首位打者を争う。「まだまだ(首位打者と)言える時ではない。チャンスで打ててなかったし、投手に迷惑をかけていたので」。長野の大本塁打が、チームを5試合ぶりの白星に導いた。

 ≪チェンからは初本塁打≫長野(巨)がチームの連敗を止める勝ち越し8号ソロ。巨人は今季2連敗以上を8度喫しているが、長野は脱出した試合に全て安打を放ち、通算28打数16安打(打率・571)3本塁打、8打点と大暴れ。V打も4度目でラミレスの2度を上回り最も多い。またチェン(中)からはこの日がプロ入り初アーチ。ナゴヤドームではチェンに対し通算9打数1安打(・111)で打点、本塁打とも0。それが東京ドームでは12打数6安打(・500)1本塁打、2打点と別人のように打ち込んでいる。

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2011年7月3日のニュース