統一球の申し子…大谷 太い縫い目で変化球切れ増した

[ 2011年7月3日 06:00 ]

<ロ・楽>7回1/3を2失点でプロ入り初の先発勝利を挙げた大谷

パ・リーグ ロッテ6―3楽天

(7月2日 Kスタ宮城)
 統一球時代の申し子だ。ロッテの2年目右腕・大谷智久投手(26)が2日、楽天戦でプロ入り最長の7回1/3を2失点。今季初勝利がプロでの先発初勝利となった。今季は5月から先発に転向し、4試合連続のクオリティースタート(6回以上投げて自責3以下)で防御率1・77。抜群の安定感の要因として、今季から導入された統一球によって、より威力を発揮している手元で動くボールの存在があった。
【試合結果】

 完全に術中にハメた。大谷の真骨頂は4回1死二塁の場面。3番・聖沢を2球目、真ん中高めの直球で投ゴロに打ち取ると、4番のガルシアも初球、外寄りの直球で遊ゴロ。いずれもコースは甘かったが、バットの芯を外してわずか3球でピンチを切り抜けた。

 「あの場面は真っすぐをカット気味に投げました。それが持ち味なので」。大谷が「直球」と呼ぶ球は、リリースの際に中指ではじくことで微妙なスライダー回転が加わっている。今年から低反発の統一球が導入され、芯を外した打球が飛ばない。さらに縫い目が太くなり、横に曲げる変化球の切れが増した。そのため小さい変化の速球系、いわゆる動く球の効力は絶大。両コーナーの低めに散らして、バットの芯を外してゴロに打ち取る。大谷が奪った三振は1個だけ。内野ゴロのアウトは22個のうち、2併殺を含め13個を数えた。

 大谷はカーブ、フォーク、スライダーなど球速が遅い変化球も投げ分け、打者に的を絞らせない。7回までわずか86球。打たせて取る「エコ投球」で完封ペースだった。プロ入り最長の8回にスタミナ切れとなって2点を失い、降板したことが現在の課題か。「統一球効果」でまだまだ勝てる予感を感じさせた。

 ▼ロッテ・里崎 大谷は今までで一番悪かったけど、球には力も切れもあった。真っすぐを意図的にカットさせたりした。

 ▼ロッテ・今江(左ふくらはぎの張りから2試合ぶりに先発出場し、6回に4号2ラン)きのう試合に出られなくてチームに迷惑を掛けたので何とか力になりたかった。

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2011年7月3日のニュース