斎藤“腹痛”でダウン…プロ初先発はお預けに

[ 2011年2月20日 06:00 ]

病院からタクシーで宿舎に到着した斎藤

 日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が、20日に予定されていたヤクルトとの練習試合(名護)での先発登板を見送ることになった。過労とストレスによる腹痛とみられ、同投手は19日に練習を早退し、沖縄県名護市内の病院で診察と点滴治療を受けた。国内球団との初対戦を目前にしてのダウン。今後の調整に影響を及ぼす可能性も否定できず、黄金ルーキーがプロで最初の試練を迎えた。

 斎藤が名護市内の選手宿舎に戻ってきたのは午後4時8分だった。1、2軍合同の紅白戦が行われた国頭球場を出たのが同1時10分。その間、斎藤は名護市内の病院で点滴治療を受けていた。

 「ちょっと、腹痛みたいな感じ。きのう(18日)の夜からで、下痢ではないです。(医者には)疲れじゃないか、と」

 球団は「診断名は特にない。精神面も含めた過労からくる軽い腹痛」と説明した。ただ、異変は明らかだった。午前中のブルペン投球。捕手を座らせた初球の直球は山なり。2球目以降もキャッチボール程度の力しか入っていない投球で、わずか19球で切り上げた。視察した楽天・山口スコアラーも「せっかく国頭まで見に来たのに。投げているから肩や肘は悪くないはずだが、どこか故障しているのでは?」と指摘。予定されていたランニングなども行わず、練習を切り上げると、紅白戦途中で球場を離れた。

 20日のヤクルトとの練習試合で予定されていた先発登板。早大の先輩でもある青木らとの対戦を「楽しみ」と話してきただけに、練習を早退しても「いけたらいきたい」と切なる思いも口にしていた。しかし、梨田監督は斎藤とも話し合った上で「大事を取って」と同戦の登板回避を決定した。

 気になる症状だが、チーム内には今回の腹痛について「実際には下腹部にできた傷が化膿(かのう)し、へその下から膿(うみ)が出ている」と証言する複数の関係者がいる。これが事実だとすれば、投球時に力が入らないのも無理はない。芝草投手コーチは今後のスケジュールについて「(各試合で)先発が埋まっているので、中継ぎでの登板も含めて、あす、あさっての様子を見て決めたい」と説明。現時点で、次戦は26日のロッテとのオープン戦(名護)に先発することが濃厚だ。

 15~17日の第4クールでは、肩を休めることを目的に、3日間でブルペン入りは1度にとどめた。そして第5クール初日のこの日から調整ペースを上げる予定の矢先のダウン。まだ100球を超える投げ込みが一度もなく、実戦も13日の韓国サムスンとの練習試合で中継ぎで1回14球を投げただけ。「(腹痛の状態は)良くなってきています」と気丈にふるまった斎藤。開幕1軍の切符を手にするためには、どんな困難も乗り切るしかない。

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