股関節と膝の柔らかさが生んだ 稼頭央“ひねり”の盗塁

[ 2011年2月20日 09:40 ]

走塁練習の時の松井稼。左足を一歩引いてスタート

 8年ぶりに日本球界に復帰した楽天の松井稼頭央内野手(35)が12年ぶりの盗塁王奪回に向け、スタートダッシュに磨きをかけている。西武時代に盗塁王を3度獲得。その成功率は300盗塁以上で日本歴代2位の・814(306盗塁)を誇り、メジャー時代も・850(102盗塁)。ただ速いだけではなく、成功率の高さに隠された盗塁術としてリード時の独自のクローズスタンスがある。

 走塁練習。スタート前、松井稼の右足だけが左足よりも前に出ていた。クローズしたスタンス。左足をグッとひねると、右足を一直線に前に出してスタートを切った。

 「このスタンスはきついです。試合では左足を(二塁方向に)開く時もあります。でも練習では開きません。スタート時の爆発力を出したいんでね」。二盗を試みる際、普通の選手は両足を一、二塁を結ぶラインにそってフラット(平たんにそろえる)にリードを取る。4年連続盗塁王の西武・片岡は右足を一歩後ろに引いたスタンス。オープンの形を取ることで左足を早く前に飛び出させるためだ。だが、松井稼は正反対に右足が半歩前。左足のひねる量を増やすことで爆発力を生み、早くトップスピードに乗る狙いなのだ。

 それならば、他の選手はなぜ松井稼のクローズスタンスにしないのか。「他の選手では左足が流れ、二塁方向に一直線に出せない」と永池内野守備走塁コーチ。それが松井稼の場合は「股関節と膝の柔らかさがあり、強さも兼ね備えているから左足を一直線に出せる」(同コーチ)という。16日の紅白戦で松井稼のリードは自身の通常より0・15メートル短い約3メートル15。昨季24盗塁の聖沢は片岡同様に約3メートル90と差は歴然。「(若い)聖沢のあそこまでのリードはできない」と35歳の松井稼は言うが、スタートの爆発力で補い、簡単に二盗を決めた。

 「いかに速いスタートを切れるか。それが一番大事」。30歳代に入ったメジャー時代は盗塁数こそ減ったものの、成功率は・850。年齢による脚力の衰えを感じさせていない。日米通算408盗塁からどこまで伸ばせるか。松井稼独自のクローズスタンスから生み出されるスタートダッシュ力が、チームの開幕ダッシュをも呼ぶ。

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