須田が10K完投!JFE東日本2年ぶり1勝

[ 2010年8月30日 06:00 ]

<JFE東日本・新日鉄広畑>完投勝利で新日鉄広畑を下し、ガッツポーズして喜ぶJFE東日本・須田

 第81回都市対抗野球大会は29日、東京ドームで1回戦3試合が行われた。2年ぶり出場のJFE東日本(千葉市)は、エース・須田幸太投手(24)が新日鉄広畑(姫路市)を相手に4安打1失点で完投勝利。昨年の若獅子賞右腕は計10三振を奪う力投で、チームに2年ぶりの勝利をもたらした。JR東日本(東京都)、伯和ビクトリーズ(東広島市)も2回戦進出。30日は1回戦3試合が行われる。

 【JFE東日本3―1新日本製鉄広畑】誰はばかることなく、須田は両手を突き上げた。駆け寄る気心の知れた仲間たち。東京ドームで、このユニホームでこれがやりたかった。
 「やっぱり補強で勝つより気持ちいい。このために去年の都市対抗が終わってから1年間やってきた。自分のチームで勝てて良かった」。入社1年目の昨年。チームが本大会出場を逃す中、自身はホンダの補強選手として出場。4試合に登板し、若獅子賞を獲得する活躍で優勝に貢献した。それでも「来年は自分のチームで…」と心の底からは喜べなかった。
 だからこそ今年は気合が違った。初回2死で「狙って取りました」と大嶋を空振り三振。これで勢いに乗り、自己最速タイの145キロの直球を武器に8回まで1失点。「ちょっとバテた」という9回は、先頭の物部にこの日唯一の四球を出したが、最後までマウンドを譲らずチームに2年ぶりの白星をもたらした。
 早大時代はエースとして期待されながら、2年後輩の斎藤らの活躍に押され通算8勝に終わった。同期の松本、細山田(ともに横浜)、上本(阪神)らが華々しくプロ入りするのを横目に社会人へ。1メートル75、66キロのきゃしゃな体を見直し、徹底して体づくりに励んだ。1日4食の食事にサプリメントの摂取を続けたことで肉体は劇的に変化。社会人の2年間で体重が10キロ増え、球威が増した。「全然違います。きょうもほとんど140キロを超えてましたし、切れが出てきた」。加えて昨年の都市対抗で身に付けた自信。「ドームでは負けない。ドームだったら自分の投球ができる」。そこには早大時代のひ弱さはどこにもなかった。
 大会直前の25日には母校の野球部寮を訪問。斎藤には会えなかったが、応武監督や大石らとあいさつをかわした。自身の快投は、秋季リーグを控える後輩たちへも最高のエールとなった。
 ◆須田 幸太(すだ・こうた)1986年(昭61)7月31日、茨城県生まれの24歳。土浦湖北では3年春にセンバツ出場も初戦敗退。夏は茨城大会の3回戦で敗退した。早大では3年からエース番号の「11」を背負った。昨年の都市対抗ではホンダの補強選手として出場し4試合9回1/3を投げ1失点。防御率0・96だった。

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2010年8月30日のニュース