上本弾でサヨナラ!西武劇勝で2位に浮上

[ 2010年8月30日 06:00 ]

<西・楽>9回1死一,二塁 右越えのサヨナラ3ランを放った上本(49番)を出迎える西武ナイン

 【西武5―3楽天】西武の上本達之捕手(29)が、29日の楽天戦9回1死一、二塁から4号逆転3ランを放った。今季5度目のサヨナラ勝ちで1分けを挟んでチームの連敗を7で止めた。太平洋クラブのユニホームを復刻したライオンズクラシックの最終日。東尾修氏(60、スポニチ本紙評論家)、白仁天氏(66)ら当時のメンバーが見守る中で、2位浮上。心配もかけるが、頼りになる後輩たちだ。

【試合結果


 三塁側ベンチ裏の狭い通路に、野太い歓声が響いた。声の主は白髪が増え、ちょっぴりおなかも出たかつての太平洋ナイン。9回、上本の右中間4号3ランでの逆転サヨナラ勝ち。打ち合い上等の「山賊打線」をほうふつさせるド派手な幕切れに、上本も興奮気味だった。
 「中途半端に打って後悔したくなかった。強く振ることだけ考えていた。ライトが見上げていたので“おっ、入ったな”って感じ。何とか自分のバットで止められてよかった」
 1点を追う9回無死一、二塁で代打・原が犠打失敗。三塁封殺で1死一、二塁となった。追い上げムードがしぼみかけた。負ければ3年ぶりの8連敗の危機。楽天・小山の3球目、144キロ直球を強振。自身初のサヨナラ弾だった。今季5度目、本塁打では初のサヨナラ勝ちだった。本塁でタンクの水を上本にお見舞いするなど、連敗中のうっぷんを晴らすようにナインははしゃいだ。
 夏休み最後の日曜日で本拠地開催も最終日。子供たちはもちろん、OBにも最高の夏の思い出になった。ライオンズクラシック2010、太平洋クラブ復刻ユニホーム着用の最終日。東尾修氏、土井正博氏、白仁天氏、鈴木治彦(現葉留彦)氏ら13人の元太平洋ナインを球団が招いた。劇的勝利はベンチ裏の通路で迎え、現役選手とハイタッチも交わした。「こういう日にサヨナラで勝てるとは。ベンチ裏でみんなでビックリしていた。こうやってOBを紹介していただいて、球団、選手の皆さんに感謝したい」。OBを代表して、セレモニーで東尾氏が感謝した。
 10日ぶりの勝利で2位に浮上。太平洋のユニホーム姿の現役、OBが入り交じったままビクトリーロードの階段を上った。「太平洋クラブ時代の先輩たちが見ていてくれたので、なんとか連敗を止められればと思っていた。この試合がターニングポイントになればいい」。OBたちに背中を押された渡辺監督が、再浮上を誓った。

 ◆上本 達之(うえもと・たつゆき)1980年(昭55)11月8日、山口県生まれの29歳。宇部商では3年夏に甲子園出場して、豊田大谷(愛知)との2回戦で延長15回の末敗退。協和発酵では02年に11年ぶりの都市対抗出場に貢献。02年ドラフト6巡目で西武入団。08年にプロ初の開幕1軍を果たした。1メートル86、92キロ。右投げ左打ち。

 ≪東尾氏らOB12人が始球式≫太平洋時代の復刻版ユニホームを着用した今季のライオンズクラシックが最終日。東尾氏(本紙評論家)や白仁天氏、若菜氏ら当時のメンバー12人が現役選手を相手に始球式を行った。試合後のセレモニーではグラウンドで現役選手とともに記念撮影。若菜氏は「所沢に移って疎遠になってたけど、きょうは選手と一緒になってみんな勝利を喜んでたね。いい同窓会になった」と話していた。

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2010年8月30日のニュース