どうして球速アップ?由規が161キロを記録した複合的要因

[ 2010年8月30日 15:14 ]

 ヤクルトの由規が26日の横浜戦(神宮)で球速161キロをマークし、日本投手では前人未到の160キロ台に到達した。昨季までの自己最速は157キロ。7月29日に日本投手最速の158キロに並び、わずか1カ月足らずで3キロも速くなった。急激な球速アップの背景には複数の要因が絡み合っていた。

 由規は昨季、中指に頻繁にできるまめに苦しんだ。その対策に今季は球の握りを軽く、浅くした。そして交流戦途中から前田健(広島)を参考にフォームから力みを取り去り、リリースの瞬間に指先で力を爆発させるよう意識を変えた。「今までにない感じで球が指にかかっていた」と表現した161キロにはそれらの相乗効果が垣間見えた。
 肉体的には地道な練習がプロ3年目で実を結んでいる。上半身の天性の柔らかさに比べ下半身、特に股関節が硬かった。だが、疲れで硬くなる夏場も徹底したケアで柔軟さをキープ。強化された体幹と相まって、深く前に沈み込むフォロースルーに磨きがかかった。夏を前に体重も3キロ絞り、80キロにしたことで、格段に切れが増した。
 弱冠20歳だ。すべてに未完成なだけに、クルーン(巨人)の日本球界最速162キロの更新に期待が高まる。本人も「球速は目指していきたい」と意欲をかき立てている。

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2010年8月30日のニュース