日本人初「ビデオ弾」!松井、6戦4発14号

[ 2010年7月28日 06:00 ]

8回、右中間へ2ランを放ち一塁を回る松井。一塁のユーキリスは“入ってないよ”

 【エンゼルス3-6レッドソックス】エンゼルスの松井秀喜外野手(36)が26日(日本時間27日)、レッドソックス戦の8回、右中間へ14号2ラン。ビデオ判定となるフェンスぎりぎりの当たりだったが、日本人大リーガー初の「ビデオ弾」となった。ここ最近は出場6試合で4本塁打と大当たり。エ軍は連敗でア・リーグ西地区3位に転落、首位レンジャーズには今季最大の7・5ゲーム差と離されたが、赤ゴジラのバットはまだ逆転優勝をあきらめていない。

 じらされた。既にベース一周を終えた松井はベンチで待つしかなかった。今季自身2度目のビデオ判定。だが自信はあった。数分後、ジャッジ通りに本塁打が宣告されるとようやくスッキリと、感情を解き放った。
 「感触は良かったですよ。僕は入ったと思っていたので、たぶん変わらないだろうなと思っていた」
 3点を追う8回2死一塁。右中間への大飛球は、観客席最前列のファンの手に当たってグラウンドへ戻ってきた。本塁打の判定にレ軍側が抗議し、ビデオ判定に持ち込まれたが、打球はしっかりフェンスを越えていた。
 2日連続のギリギリ弾だ。今季自己最長の6試合連続安打で、この間に4本塁打。前日レンジャーズ戦の13号は弾丸ライナーで右翼ポール際の最前列に飛び込んだ。21日のヤンキース戦では右翼が狭いヤンキースタジアムで12号を放ち、打たれたバスケスに「他のどの球場でも、あれは右飛」と悔しがらせた。今季はスタンドをはらはらさせるギリギリの本塁打が多い松井だが、フェンスを越えれば1本は1本。飛距離はどうあれ本塁打には違いない。
 第2打席で左前打、第3打席の右飛も芯でとらえた。「少しずついい対応ができている。状態として上がってきた。球の見極めも、ある程度はできているんじゃないですか」と手応えは感じている。22日レンジャーズ戦からは4試合、16打席連続で空振りゼロと、ミスショットが激減しているのも好調の秘けつだ。
 ただ、エ軍はここ8試合で2勝6敗と失速。ゲーム差0で3位に転落して首位のレンジャーズとは今季最大の7・5差に開いた。「一戦一戦、しっかり準備して戦うだけ。負けられない試合が続いていくわけですから」と松井。復調した夏男が打ちまくらなければ、逆転優勝は見えてこない。

 ▼レッドソックス・アッチソン(元阪神。松井に被弾)内角の厳しいところにカットボールを投げようとした。日本人選手と何度か対戦して、その攻めが有効だと感じたから。ただ少し甘いところにいって、いいスイングをされたよ。

 ≪プロ野球歴代9位タイ≫松井が今季14号で日米通算486本塁打とし、プロ野球歴代9位の大杉勝男(ヤクルト)に並んだ。今季中に500本塁打到達の可能性もある。2試合連発は20、21日のヤンキース戦に続き大リーグ通算17度目で、うち3試合連発が2度。7月はこれで8度目となり、大好きな夏本番を迎え状態が上向いてきた。07年7月には3度の2試合連発と、1試合2発を含め月間13本塁打した。

 ◆松井の前回のビデオ判定 6月1日の敵地でのロイヤルズ戦。2点を追う6回1死一塁で右翼ポール際へ大飛球。打球はスタンド最前列付近で大きく跳ね、グラウンドへ戻ってきた。松井は一塁走者・ハンターのスタートが遅れたため二塁でストップ。ソーシア監督の抗議で日本人大リーガー初のビデオ判定となったが、判定は覆らず二塁打のまま。「多分入っていないだろうなと思いました」と松井。同点2ランは幻と消え、試合も敗れた。

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2010年7月28日のニュース