公園で練習したことも…尚成、精密投で先発ローテつかむ

[ 2010年5月23日 06:00 ]

<メッツ・ヤンキース>メジャー初先発のメッツ・高橋は6回無失点の好投で先発ローテーション入りを果たす

 【メッツ1-2ヤンキース】メッツの高橋尚成投手(35)が21日(日本時間22日)、ヤンキースとの交流戦「サブウエー・シリーズ」でメジャー初先発。勝ち投手にこそなれなかったが、6回5安打5奪三振で無失点の好投を見せた。

【試合結果


 マイナー契約からはい上がった左腕は、今後の先発ローテーション入りも決定。日本人投手では歴代最年長の35歳での初先発となったオールドルーキーが、次は待望の先発白星を目指す。
 全米が注目したサブウエー・シリーズ初戦。しかし、高橋は重圧を感じるどころか、先発のマウンドを満喫していた。6回を101球。投球の合間には何度も笑顔を見せた。両リーグトップのチーム打率を誇るヤ軍打線を5安打無失点。「やっとここに立てた。本当に楽しかった。自分の投球ができたし、満足している」。試合後もいつもの人懐っこい笑みを浮かべた。
 「あんまり(ヤ軍打線が)怖いから、顔を見ずに投げたよ」とのコメントもジョークにしか聞こえない。3、4回には1死二、三塁のピンチ。しかし3回はジーターを91マイル(約146キロ)の内角直球で見逃し三振に。通算2797安打の巧打者が思わず腰をくの字に曲げてよけるほど絶妙のコースだった。4回は宝刀シンカーでスウィシャーを空振り三振に仕留めた。メジャーでは新人でも、巨人では202試合に先発した豊富な経験が最大の武器だ。今季は日本人選手の不振が目立つ中、開幕前は無名だった男が球場新記録の4万1382人の地元ファンに実力を存分に見せつけた。
 「いつかはい上がる。そういう気持ちを持っていないと、はい上がれないと思っていた」。マイナー契約からのスタート。50歳の捕手を相手に投げ、球場が使えず公園でトレーニングを行ったこともあった。「でも新人になったつもりでやり直す決意をしたから。想定内だよ」。常に笑顔で前向きに。家族とも離れて異国での単身赴任が続くが、7月下旬には観戦に来る予定だという。この日は8歳の長女の運動会。勝ち星こそつかなかったが、パパは日本の家族にも元気な姿を届けた。
 マニエル監督は「素晴らしかった。彼はローテーションに入るよ」と一発合格を与えた。次回先発予定は26日(日本時間27日)のフィリーズ戦。「自信がなければ先発をやるとは言わない」という高橋が、今度は先発白星をつかみ取る。

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2010年5月23日のニュース