最速153キロ 松坂 わずか数センチの差で偉業逃す

[ 2010年5月23日 14:50 ]

フィリーズ戦に先発したレッドソックス・松坂

 【レッドソックス5―0フィリーズ】数センチの差だった。レッドソックスの松坂が、わずかな差で無安打無得点の偉業を逃した。

 8回2死。8番カストロの詰まった当たりが、ふらふらと上がる。遊撃手がジャンプし、必死に伸ばしたグラブをかすめるように白球は着地、この日初めての安打が記録された。松坂は「捕れるかな、どうかなと思って見ていた。あとは『落ちたか』、それだけ。残念だったけど、特に引きずることなく次の打者に集中できた」。続く打者は速球で右飛に。9回表に代打を送られ、メジャー初完封もならなかった。
 ピッチングの手応えとしては特別ではなかったと言う。「いいときは自分が思った通りのボールが何球もいくけど(今回は)特別良い状態ではなかった。これくらいの状態は維持したい」。前回は7失点するなど、今季は好不調の波が激しいだけに、それを踏まえた言葉となった。
 日米通じてプロ初の大記録を逃した悔しさは残るが、ナ・リーグ2連覇中、屈指の攻撃力を誇るフィリーズ打線を向こうに回し、最速153キロをマークした速球を中心に押した。7回には痛烈なライナーを自ら反応良く捕球するなど投手としての総合力の高さも披露し、得点を許さなかった。リズムの良いマウンドさばきで、野手も好プレーを連発。堂々の3勝目は、地区4位と低迷するチームを鼓舞する1戦となった。(共同)

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2010年5月23日のニュース