世界イチ!決勝打「神が降りてきましてね」

[ 2009年3月25日 06:00 ]

<WBC決勝 韓国・日本>祝勝会で胴上げされるイチロー

 【WBC決勝・日本5-3韓国】日本がWBC連覇を達成した。決勝戦の相手は、今大会5度目の対戦となる韓国だった。2勝2敗で迎えた最終決戦。頂点を決定する試合にふさわしい好ゲームだった。

 試合は日本が先行した。9回表を終え、1点リードを奪っていた。ダルビッシュで逃げ切りを図った。アウトをあと1つ取れば試合は終わる。韓国は粘り強かった。侍ジャパンは初めて延長戦を戦った。
 準決勝では米国に勝った。イチローは特別な感情はないと言った。強がりではない。でも、口に出せない悩みはあった。ヒットを打つことを当然と思われていた。プレッシャーに無関係だと思われていた。打率は2割台でも、周囲の期待に変化はなかった。

 延長戦の10回。頼りになる男は決まっていた。仲間が必死につくったチャンス。イチローはセンター前に、この日4本目のヒットを打った。2人の走者がホームを踏んだ。笑顔は見せなかった。
 最後の1打席は延長戦だから回ってきた。3年前とは違う世界一を味わった。グラウンドでインタビューを受けた。重圧から解放されて、初めて素の顔をのぞかせた。大いにはしゃいだ。人間・イチローが、ドジャース

 ◆イチロー歓喜のインタビュー◆

 (連覇を祝福されると満面の笑みで応じた)

 あざ~っす。いやぁ、もう苦しいところから始まって。苦しさからつらさになって、つらさが今度は痛みになって、心がね…。でも、最終的にみんなで笑顔になれたし、日本のファンの人たちに笑顔を届けられたことは最高ですね。

 決勝打?僕はもってますね、やっぱり(自分で言いながら噴き出す)。いやー神が降りてきましてね。ここで打ったら、あの打席では日本はもの凄いことになってると思って、自分で実況しながら打席に入っていって、そうなるといつもは結果が出ないんですけど。いやあ、ちょっと1つ壁を越えられた気がしますね。

 (WBCを振り返ってという質問に少し遠くを見ながら)谷しかなかったですけど、最後は山に登れて良かったです。球場を1周した気持ち?気持ち良かった!ほぼイキかけました。すいません。(言った後にテレビでの発言とあり少し後悔したような表情)。
 日本の皆さん、球場に来てくださった皆さん、日本からの視線もすべての方に感謝したいです。

 (試合前に“世界一行くぞ”と声を掛けたことを聞かれて再びテンションが上がって力強い声になる)

 聞こえちゃいましたか。いやあ、今回はみんなテンションがめちゃくちゃ上がっていた。前回みたいに毎試合(声掛けを)する必要がなかったんですけど、さすがにきょうだけは。そういう思いでやっちゃいました。

 シャンパンファイト?3年ぶりのね。僕はシーズンでやったことないので、思い切り浴びてきます。

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2009年3月25日のニュース