村田打った弾丸侍1号!北京の屈辱バネに

[ 2009年3月6日 06:00 ]

<日本・中国>3回2死二塁、左越え2ランを放つ村田修一

 【WBC 日本4―0中国】約20センチ。そのわずかの差で、村田が侍ジャパンを勝利に導く一発をものにした。1点を先制した直後の3回2死二塁。李晨浩の128キロフォークだった。上体が泳ぎ気味になりながら、ボールの落ち際をバットで拾った。左翼最前列へ、国際大会での自身初アーチ。会見では喜びの言葉がほとばしった。

 「北京でも苦い思い出ばかりだったから。初戦に1本打てて、これから自信を兼ね備えて次の戦いに臨めると思う」
 初回2死二、三塁。カウント0―1から左翼ポール際へ特大のファウル。当たりは完ぺきだったがわずかにタイミングが早かった。ならば、と次の打席では約20センチ、打席でのスタンスを投手寄りにずらした結果、フォークを落ち際でとらえることができた。「真っすぐをドン、と距離を出すのは簡単。この(飛ばない)ボールを考えれば、泳ぎながら変化球をうまく運べたのは価値がある」。2年連続キングは、プライドをにじませながら言い放った。
 屈辱を晴らしたかった。昨夏の北京五輪は、直前に体調を崩したこともあって打率・087。「北京では自分の形を崩して後悔する打席、守備ばかりだった。攻めていく姿勢の中で野球ができなかった」。シーズンでは1カ月近くチームを離れながら、46本塁打で2年連続のタイトルを獲得。「村田は国際試合で長打を打てない、村田はこんなもんやと思われるのが嫌だった。自分を貫けばいい。そう思った」。“男・村田”としての打撃を発揮できるか。今はそれだけに集中している。
 8回は強烈なライナーを好守するなど、三塁の守備でも懸命なプレーを続け「今はすごく充実している。(前の打者が)残した走者がいたら、これからも全部還すつもりだよ」。覚せいした主砲が、侍の核となってチームを引っ張っていく。

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2009年3月6日のニュース