イチローへこんだ…実戦16打席快音なし

[ 2009年3月6日 06:00 ]

<日本・中国>3回無死、強烈なライナーを好捕するイチロー

 【WBC 日本4―0中国】試合終了から約1時間後、全選手の一番最後にイチローが通路に姿を見せた。表情に悲壮感はなかったが、疲れ切った様子だったのは理由があった。

 「最後にドーピング(検査)が来たので。そういう悪い流れ、それにへこみましたね」
 実戦6試合で23打数3安打、打率・130と調子が上がらないまま開幕戦を迎えた。慣れ親しんだ1番でも結果は5打数無安打。初回はファーストストライクを強引に引っ張り一ゴロ。4、6、8回の走者を置いた場面でも打球は一度も外野に飛ぶことはなかった。「もどかしさ?あります。なかったら野球やめます。(ストレスは)ありますよ。チームとは関係ないところでね」と素直な心境も吐露した。
 打席に立つ度に無数のフラッシュを浴びた。満員のスタンドから「イチローコール」の大歓声も打てなかった。打席で構え遅れ、タイミングの合わない空振り、120キロ台の直球に詰まらされた、らしくない場面もあった。
 そんな中、光明もあった。3回の第2打席。1―1からの3球目、外角カーブに体が開くことなく、しっかり逆方向へ打ち返した。三ゴロとなったが「(とらえた感覚を)もっているものもありますね」と振り返った。
 3回は頭上を襲った打球を背走しながらジャンピングキャッチ。守備では見せ場をつくったが満足感は得られなかった。強化試合を含めると16打席連続無安打という状況にも「不安ですか?ないですね。焦るってどういう感じですかね。ドーピングでおしっこが出なかったら焦るけどね。とりあえず勝つことが最重要。この大会はね」とイチローは言った。あす7日は東京ラウンド突破をかけた韓国との対戦が濃厚。リーダーが眠ったままでは、侍ジャパンは厳しい戦いになる。

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2009年3月6日のニュース