つなぎの申し子 中島ハマった攻撃型2番

[ 2009年2月22日 06:00 ]

2回2死二塁、中前にタイムリー打を放つ中島裕之

 【WBC日本代表10―0巨人】追い込まれてからが、中島の腕の見せどころだった。初回。右前打で出塁した青木を一塁に置いて、打席に入った。バントの気配はなかった。2ストライクと追い込まれてバットを短く持ち替えた。内角を1球見逃して4球目、低めの変化球を拾って左翼線に落とした。二、三塁とチャンスを広げて稲葉の3ランを呼んだ。チームを勢いづける、“攻撃的つなぎ役”が誕生した瞬間だった。

 「2番?経験したことがないので、やりがいのあるところをやらせてもらっているちゃうんかなと。つなげたし、走者に出ることもできたので良かった」
 2回2死一塁では一塁走者の青木がスタートを切った瞬間に故意に空振り。二盗をしっかりアシストした。その直後、中前へ運んで追加点を叩き出した。4回は先頭でフルカウントまで粘って四球を選んでホームに還ってきた。「あっさりアウトになりたくない。どうにかバットに当ててしぶとくやっていきたい」と胸を張った。3打席すべてで追い込まれてから出塁したことに、2番打者としての適性があった。
 試合では1番に座った青木とのコンビも機能。1安打1盗塁をマークしたリードオフマンとで10得点中4得点だ。嫌らしい打者が2人並ぶことで3番・イチローにいい形で回せる打線が完成する。得点力はおのずと上がってくるとあって原監督も「こちらが見ているだけでも楽しい。チームを活気づけている」。
 19日にはトレードマークだった茶髪を黒髪に戻した。身も心も“サムライらしく”なって迎えた一戦。つなぐ野球を前面に打ち出す指揮官は「決して(スモールボールという)固定観念にとらわれない」と話している。その象徴が2番・中島だ。長打も兼ね備えたつなぎ役が侍ジャパンの可能性を無限に広げる。

 ≪ムネリン足で魅せた ライバルに負けん!≫ライバルの中島に負けじと川崎が足で魅せた。8回2死から中前打で出塁すると、続く亀井の4球目に二盗を成功させた。「チームでもシート打撃はやってきたし、いい緊張感で試合に入ることができた。サインは出ていなかったけれど行けると思った。どんどん、スチールしてアピールしたい」と川崎。まだ遊撃のポジション奪取をあきらめたわけではない。

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2009年2月22日のニュース