「きょうは任せて」石井一で西武が王手!

[ 2008年10月22日 06:00 ]

<西・日>渡辺監督(左)は石井一をねぎらう

 【西武9―4日本ハム】“ポストシーズン男”の本領発揮だ!パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)第2ステージ第4戦で西武は21日、先発・石井一久投手(35)が7回を5安打3失点(自責1)の力投。切れのあるボールでポストシーズン左腕最多タイの13三振を奪い、自身の連勝も4に伸ばした。チームはアドバンテージ1勝を含めた対戦成績を3勝2敗とし、4年ぶりの日本シリーズ進出に王手。22日の第5戦も勝って、ダルビッシュが先発する第6戦の前に決着をつける構えだ。

【試合結果


92年3月8日 千葉のドクターK、プロの洗礼にも「誰に打たれたっけ?」

00年10月11日 石井一、小数第3位の争い制した

04年10月14日 福地、広島を救った最終打席でのシーズン初安打

 本拠地のファンに久々の勝利を届けた。チームの西武ドーム連敗を8で止めて上がったお立ち台。久しぶりの石井一節にスタンドが沸いた。

 「きょうは気合入ってました。ファンにもずっと西武ドームで勝つ姿を見せられなかった。喜ぶ顔が見られてよかったです。(スタンドの旗が)青くて、気持ちいい」。シーズン11勝のうち、10勝が西武ドーム。移籍1年目。ライオンズブルーがすっかり板についた。

 ここぞで頼りになる男だ。ベテラン左腕は勝負どころを心得ている。勝った方が王手をかける一戦。相手はエース・ダルビッシュが控えており、絶対に負けられない試合だった。試合前には珍しく潮崎投手コーチに「きょうは任せてください」と宣言してからマウンドへ。渡辺監督に初白星をプレゼントした3月22日オリックス戦(西武ドーム)以来、2度目の“決意表明”だった。

 初回、1死一、二塁とするも高橋を127キロスライダーで、スレッジをこの日最速の145キロ直球で連続見逃し三振。「ピンチとは思わなかったけど、うまく三振が取れた」。課題の立ち上がりを切り抜けると、奪三振ショーの幕開けだ。4回の高橋から5回先頭のボッツまで4者連続三振。7回にポストシーズン26イニングぶりの失点となる3点を失い、この回で降板したが13奪三振はポストシーズン左腕最多タイ。今季最多136球の熱投に「疲れました。(西武ドーム名物の)階段を上れなかったですもん」とおどけた。経験と大舞台での勝負強さを買われての移籍。その真価を存分に見せつけた。

 プロ17年目の今季。「息子(幹大君、6歳)に自分が野球していたことを覚えていてもらいたい」と言い続けてきた。9月26日、札幌でリーグVの翌日も幹大君の運動会のため、始発便で帰京。一緒に競技にも参加した。彩子夫人(37)は「もう現役も長くないと思っているからかしら。息子のことになったらよくやってくれるんですよ」と話す。幹大君は試合開始直後に寝てしまったが、しっかりと仕事を果たした。

 日本シリーズ進出へ王手をかける快投。渡辺監督も「ビッグゲームの気持ちの持っていき方はさすが」と賛辞を贈った。だが、石井一はまだ先を見据える。「西武に入団した時に監督を男にすると約束した。日本一にならないと約束を果たしたことにはなっていない」。約束への挑戦権は、あと1勝で手に入る。

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2008年10月22日のニュース