涌井 7回2死まで完全!3安打完封でMVP

[ 2008年10月22日 22:36 ]

3安打完封で日本ハムを下し、ガッツポーズする西武・涌井

 【西9-0日】「球場はお客さんが入った舞台。自分が主役になった気分で投げてみろ」。シリーズ前、西武・渡辺監督から涌井にあったアドバイスだ。開幕戦を白星で飾り、シリーズ制覇が懸かった大舞台でも、圧倒的な存在感を放つ「主役」になった。

 「ストライク先行で、腕を振っていこうと思った」と涌井。「力と技の融合」を掲げた今季の集大成を見せた。「プロのカメラマンでもリリースの瞬間は簡単に撮れない」と言われる球界屈指の球持ちの良さを生かし、140キロ台の直球とフォークボールで次々と打者を料理していく。場内には優勝というより、完全試合達成への緊張感がどんどん高まった。

 7回2死、69球目。21人目の打者・稲葉に初安打を浴びた。周囲には残念がる顔が並んだが「できると思ってなかったんで」と涌井の表情は崩れない。

 9回まで集中力を維持し、最後の稲葉には、この日最速に並ぶ148キロの直球で空振り三振。歓喜のナインがマウンドに殺到し「とにかく勝てて良かった」。3安打の完封で今シリーズ2勝目。堂々のMVPに輝いた。

 4年目の今季は10勝11敗で「エースの投球ができない」と苦しみ、もがいた。だが、最後は大仕事をやってのけた。日本シリーズでも、もちろん「主役」は譲らないつもりだ。

 ≪故障者カバーした後藤≫西武の後藤が2回に先制ソロ、3回に2点中前打など3安打4打点の活躍。神奈川・横浜高の後輩の涌井を援護し、チームを日本シリーズ出場に導いた。
 故障で戦列を離れているG・G・佐藤、ブラゼルの分を補う働きができた。後藤は「塁に出た走者を一人でも多くホームにかえすのが仕事。しっかりできたかなと思う」と照れながら話した。

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2008年10月22日のニュース